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2022 Fiscal Year Research-status Report

潰瘍性大腸炎における腸管内カテコラミンの病態関与の解明

Research Project

Project/Area Number 20K16119
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

朝野 泰成  九州大学, 大学病院, 助教 (30572945)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords潰瘍性大腸炎 / カテコラミン / ドーパミン / ストレス / 腸内細菌
Outline of Annual Research Achievements

1970年代以降、先進国をはじめ日本においても、潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:以下UCと略)患者が急増しており、社会的にも大きな関心を集めている。国から特定疾患としても認められている難病であり、早期診断・治療・予防法の開発が急務とされているが、その病態は十分に解明されてはおらず、完治への治療法は確立されてはいない。
本研究では、腸管内において腸内細菌が生成するカテコラミン(catecholamine:CA)、特にドパミン(Dopamin:DA)に焦点を当て、動物実験モデルを通じて、UCの病態機序を解明し、その治療法の開発に資する重要な知見を得ることを目的としている。
UC は、腸管粘膜における免疫寛容の破綻がその本態と考えられているが、自然免疫に関与する粘膜バリア機能の破壊が、その病態の解明にきわめて重要な視点となる。そこで、「腸管管腔内のDAが、バリア機能の維持に不可欠であり、腸内細菌の変化により、DAの生成が減少し、バリア機能が破綻する」との仮説のもと
に以下の研究を行っている。
研究計画にそって課題①(腸管粘膜破綻におけるDAの保護的作用の証明とその機序の解明)と課題②(UCの動物モデルにおける腸管管腔内のDAの測定と腸管管腔内のDAを増やす薬剤投与によるUC改善の検討)を行っている。
課題①の実験でのDSS(デキストラン硫酸)下での実験操作が難しく、設定条件を変えるなどの工夫を継続しを行っている。課題②は、T-bet-/-Rag2-/-(TRUC)マウスを用いる予定であったが、世界的なCOVID-19の流行のもと入手が困難となった。よってそれに代わる国内で入手可能なUCモデルマウスを調査しており、前述のDSS腸炎モデル、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)腸炎モデルなども試している。あわせて、自然発症腸炎モデルやその他のモデルでも行うことを検討している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

DSS下での操作の困難やUCモデルマウスの入手困難などが主な理由である。条件を変えながらこの操作系の確立を目指し、課題①では、腸管粘膜透過性の測定をしつつ、上皮細胞間密着結合関連分子の発現の変化を見る予定である。課題②では、UCモデルマウスの再選定を行い経口DAプロドラッグを用いて、実験を進める予定である。

Strategy for Future Research Activity

新しく選定したUCモデルマウスを用いて研究計画に沿って実験を進めていく方針である。なお、物品の購入に関しては、計画を事前に吟味し、無駄を省く努力をする。

Causes of Carryover

COVID19の世界的規模における長期的影響で実験実施の遅延及び、学会の中止やリモート開催により旅費支出の減少の為、当該年度使用分を繰越しし、次年度使用するものとする。次年度は、実験操作系やUCモデルのマウスの再設定を行いその結果を学会等で発表していくために使用する予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Dietary tryptophan, tyrosine, and phenylalanine depletion induce reduced food intake and behavioral alterations in mice2022

    • Author(s)
      Xueting Zhang ,Yasunari Asano et al.
    • Journal Title

      Physiol Behav

      Volume: 244 Pages: 113653

    • DOI

      10.1016/j.physbeh.2021.113653

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 子供の事故死により解離症状を呈した女性に対し喪の作業を進めた症例 非言語的心理療法を介した考察2022

    • Author(s)
      足立友理、朝野泰成 他
    • Journal Title

      日本心療内科学会誌

      Volume: 23 Pages: 107107

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 診断までに時間を要したパーキンソン病の一症例2023

    • Author(s)
      宮田典幸, 朝野泰成, 吉原一文, 須藤信行
    • Organizer
      第62回日本心身医学会九州地方会
  • [Presentation] 腸内細菌と睡眠~最近のトピックス~2022

    • Author(s)
      朝野 泰成
    • Organizer
      第4回福岡北九州睡眠医療研究会
  • [Presentation] 自律訓練法とレンボレキサントが有効であった睡眠相後退症候群を合併したアトピー性皮膚炎の2例2022

    • Author(s)
      朝野泰成, 宮田典幸, 吉原一文
    • Organizer
      第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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