2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K16131
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 将史 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60817659)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SLE / lupus nephritis / autoimmunity / autoantibody / TCR / 145-2C11 / Fc region / NZB/W F1 |
Outline of Annual Research Achievements |
B6マウスに各抗体を単回投与した解析では2C11Sの方が2C11CよりもTCR発現量を長期間減少させた。また2C11Sは2C11Cでみられたサイトカインリリース、T細胞増殖を誘導しなかった。これより2C11SはNon-mitogenicであり、TCR発現量減少を有意に誘導しうることがわかった。抗体投与後の末梢血T細胞数を調べると2C11S、2C11Cともに末梢血T細胞を一時的に消失させたが、2C11Sは接着分子を介したTrappingによる見かけ上のT細胞数減少を引き起こし、2C11Cはマクロファージ/単球によるT細胞貪食を誘導することが示唆された。各抗体を投与したB6マウスにNPCGG免疫し、CD3抗体が抗体産生反応にどう影響するかを調べると、2C11S、2C11CいずれもTfh分化抑制はみられず、2C11SのみGCB分化抑制を認め、いずれの群でも抗体産生抑制を認めた。これより各CD3抗体はT細胞依存性抗体産生に異なる効果を与えると考えられた。またCD3抗体は既報で示唆されるアナジーやアポトーシスを誘導せず、2C11Sの免疫抑制作用はTCR発現量減少が主な機序であると考えられた。この結果をもとにNZB/W F1マウスに10週齢(早期)もしくは20週齢(後期)から週1回1か月間、各抗体を腹腔内投与したところ、早期治療では2C11S群でGCB分化抑制および抗体価低下を認め、後期治療では2C11S群でGCB分化抑制を認めるも、抗体価の有意な低下を認めなかった。またループス腎炎が形成される後期での治療において、2C11S群のみ有意な腎炎改善を認めた。これよりNon-mitogenic Fc silent CD3抗体によるTCR発現量減少はループスを軽減しうると考えられLupusの自己抗体を介さない腎炎進展に対してもnon-mitogenic CD3抗体の抑制効果が期待された。
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Research Products
(1 results)