2021 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化形成におけるCCR4-NOTの役割及び制御機構の解明
Project/Area Number |
20K16153
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
安 健博 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40723771)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | CCR4-NOT / 動脈硬化 / マクロファージ / 炎症応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA制御において不可欠な役割を果たすCCR4-NOT複合体は、炎症・免疫応答への関与が報告されつつあるが、炎症性疾患におけるCCR4-NOTの役割、またCCR4-NOTの標的や制御といった分子的基盤は全く未解明である。本研究課題では、Cnot3(CCR4-NOT複合体)の動脈硬化病態形成における役割を検証するため、動脈硬化モデル動物であるApoE欠損マウスを背景にしたCnot3ヘテロ欠損マウス (Cnot3 Hetz)を樹立し、ApoE欠損Cnot3 Hetzは、コントロールマウスと比較し、血漿総コレステロールやトリグリセリドの値に差異がなかったにも関わらず、大動脈における脂質の蓄積がより多いことがen face stainingの解析から明らかとなった。また、Cnot3 Hetzの末梢血中の単球・マクロファージ系細胞の割合が増幅しており、さらにRNA-Seqの解析から、ApoE欠損Cnot3 Hetzの動脈硬化巣においてマクロファージやCD4陽性T細胞の浸潤が示唆された。そこで、動脈硬化発症および進行において重要な役割を持つマクロファージに着目し、マクロファージに発現するCCR4-NOT複合体の役割について解析を進めた。CCR4-NOT複合体を欠損したマクロファージは細胞形態および分化に異常を来し、さらに炎症応答に関しては、動脈硬化促進作用をもつIFN-gammaによるマクロファージの活性化がCCR4-NOT欠損によって顕著に亢進していた。実際、ApoE欠損Cnot3 Hetzの動脈硬化巣においてIFN-stimulated genesの発現が上昇していた。以上の結果から、Cnot3(CCR4-NOT複合体)はIFNシグナル経路の制御に関与し、動脈硬化症をはじめとする炎症性疾患の負のレギュレーターであることが示唆された。
|
-
[Journal Article] ACE2-like carboxypeptidase B38-CAP protects from SARS-CoV-2-induced lung injury2021
Author(s)
Yamaguchi T, Hoshizaki M, Minato T, Nirasawa S, Asaka MN, Niiyama M, Imai M, Uda A, Chan JF, Takahashi S, An J, Saku A, Nukiwa R, Utsumi D, Kiso M, Yasuhara A, Poon VK, Chan CC, Fujino Y, Motoyama S, Nagata S, Penninger JM, Kamada H, Yuen KY, Kamitani W, Maeda K, Kawaoka Y, Yasutomi Y, Imai Y, Kuba K
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 12
Pages: 1-13
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-