2020 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive analyses about factors involved in the progression from IPMN to Pancreatic cancer
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20K16154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 圭 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20815617)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌のハイリスク患者の囲い込みとして、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN: Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm)は,数少ない膵癌高危険群の設定法である.しかしそれとても年率1-2%しか癌化せず、あまりにも効率が悪いと言わざるを得ない。ここでは、年率1-2%と言われるGNAS変異を持つIPMN様病態から浸潤癌に至る人がなぜ存在するのか、GNAS変異から浸潤癌に至るまでの過程における必須の遺伝子を同定ある。また、その遺伝子の変異を もし cell-free DNAを用いて血中から高感度に検出することができれば、IPMN由来膵癌の更に効率的な囲い込みと早期発見に寄与できないかと考え、本研究を着想した。これらの研究は、遺伝子編集で任意の遺伝子に自由に変異を入れることが簡便に出来るようになったこと、Digital PCR を用いた高感度な変異検出法によって遺伝子編集によって導入した目的遺伝子の変異をもった細胞の単離が簡便になったこと、および血中からの遺伝子変異の高感度スクリーニングが可能になったこと、を応用して進めるものである。本年度は、GNAS変異遺伝子をヒト性状膵管上皮細胞に発現させた場合に、変異GNAS蛋がどのように発現変化するかを確認した。これまでの検討で変異型と野生型で大きな生物学的差が見られなかったが、これが発現量変化に依存するのではないかと考えたからである。その結果、変異GNAS蛋白は野生型に比較して、cAMP濃度をあげる機能は強いものの、蛋白分解を受けやすいことが判明した。この分解機構について検討を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたGNAS変異の機能解析が概ね想定通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は GNAS蛋白の分解機構を解明し、GNAS変異に加えて、この分解機構に変異が入った場合にGNASの機能がより強く発揮され病態に関わるのではないかという仮説のもとで、検証を行っていく予定である。
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Research Products
(1 results)