2020 Fiscal Year Research-status Report
プロテオミクスで探るCEP290変異が関与する繊毛病の病態メカニズム
Project/Area Number |
20K16157
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋本 寛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30815577)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プロテオミクス / 繊毛病 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞小器官である繊毛の基底部に局在するCEP290は、transition zoneと呼ばれる一次繊毛への輸送ゲートを構成するタンパク質である。CEP290の変異はジュベール症候群に代表されるいくつかのCiliopathy(繊毛病)発症の原因として知られる。本研究では、CEP290と結合するタンパク質を通して、CEP290の関わる繊毛病の病態メカニズムを探る。局在や結合解析に用いることのできるCEP290の細胞内発現コンストラクト作成を試みた。しかしながらCEP290は巨大タンパク質であり、一過的発現コンストラクトでは発現を認めることができなかった。これについては、発現プロモーターを変える等を予定している。次に、EndogenousなCEP290を認識でき、共免疫沈降(Co-IP)に用いることのできる抗体の条件検討を行った。その結果、Co-IPに使用できる複数の抗体を取得できた。そのため、これらを用いて、正常細胞、CEP290変異細胞それぞれにおいてCo-immunoprecipitation-mass spectrometry analysis(IP-MS)を行うことで、結合タンパク質の網羅的同定を行った。これにより、CEP290とその変異体の結合タンパク質の候補のリストを得ることができた。今後は、これら結合タンパク質の候補のバリデーションと機能解析を行う。また、異なる細胞種におけるCEP290変異細胞の作成をCRISPR-Cas9 systemにより行い、表現型解析のためのiPS細胞を用いたオルガノイド作成を進める。局在や結合解析に用いることのできる細胞内発現コンストラクト作成も並行して行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CEP290変異細胞を用いて、Co-immunoprecipitation-mass spectrometry analysis (IP-MS)を行った。その結果、CEP290の結合タンパク質の候補を得ることができた。個別解析はこれからであるものの、概ね予定通りと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
IP-MSによるCEP290の結合タンパク質の候補を得ることができたことから、この候補データを精査し、結合バリデーションとCEP290の結合による機能解析を行う予定である。また、異なる細胞種におけるCEP290変異細胞の作成をCRISPR-Cas9 systemにより行い、表現型解析のためのiPS細胞を用いたオルガノイド作成を進める。
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Causes of Carryover |
学会等に行く機会がなかったことに加え、サンプルの測定を海外から国内に変更したことによる。今後は、表現型に関する解析でiPSの使用を予定しており、これに関する条件検討が完遂できていないため、関連の消耗品が必要となる。
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