2020 Fiscal Year Research-status Report
グロボ系糖脂質の新たな発現誘導機構の解明と腎症への関与
Project/Area Number |
20K16159
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
新田 昂大 東北医科薬科大学, 薬学部, ポスト・ドクター (30847976)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | レプチン / Globoside / 糖尿病性腎症 / 1型/2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、糖尿病性腎症におけるレプチンのスフィンゴ糖脂質発現誘導を介した病態形成メカニズムの解明することを目的としている。したがって、レプチンあるいはレプチン受容体欠損マウスを用いて、レプチンが腎臓の糖脂質発現変化に関与しているかをまず確認する必要があったが、これについては確認ができ、さらに、レプチン欠損マウスへのレプチン投与により糖脂質発現を野生型と同じバランスにリカバリーできることも分かった。また、コロナの影響により、入手が遅れていた腎特異的レプチン受容体マウス作成に必要なCreマウスを本年度搬入でき、解析に必要な個体を一定数得られ、解析に着手している。 また、レプチンシグナル欠損マウス(ob/ob, db/db)と類似した糖脂質発現変化が生じる"薬剤誘導性糖尿病性腎症マウス"を新たに見出し、このモデルマウスの解析によって、糖脂質発現変化への関与が強く示唆される分子もまた明らかにしている。この分子をコードする遺伝子が、自然発症的に変異しているマウスにおいても、薬剤誘導性モデルと同様の結果が得られている。さらに、上記薬剤誘導性モデルマウスにレプチンを投与しても糖脂質発現バランスは、レプチン欠損マウスにレプチン投与した場合とは異なり、その発現は正常化しなかった一方で、この分子を投与することで正常化できることも分かった。 これまでに本研究課題で得られた結果に基づき、国内の学会で口頭発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎臓特異的レプチン受容体マウスの作成に着手でき、解析に必要な一定数のマウスが得られた。また、糖脂質発現を誘導するシグナル伝達系に関しては、レプチンのほかに、関与が強く示唆される分子により惹起されるシグナリングもまた重要であることが分かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
腎特異的なレプチン受容体欠損マウスにおける、腎臓の糖脂質発現を解析し、腎臓のレプチン受容体経由で腎臓の糖脂質発現変化が生じているか明らかにしていく。また、糖脂質発現誘導に重要なレプチンシグナルと今年度見出した分子のシグナル伝達系のクロストークが示唆されるため、細胞系を用いて、解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により次年度使用額が生じた。物流などの正常化具合にもよるが、当初の計画通りに交付金を使用し、実験を進める。
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Research Products
(2 results)