2021 Fiscal Year Research-status Report
ミクログリア特異的遺伝子改変マウスを用いたアルツマイマー病における機能解析
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20K16162
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小笠原 千絵 金沢医科大学, 医学部, 特定助教 (10708944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミクログリア / アルツハイマー病 / 特異的 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミクログリア細胞は脳における免疫担当細胞であり、貪食能、サイトカイン産生能を持ち、中枢神経系の防御及び恒常性を維持している。アルツハイマー病におけるミクログリア細胞の本質的な機能を明らかにする為にミクログリアを特異的に可視化と除去可能な遺伝子改変マウスを樹立しアルツハイマー病を発症するhAPP-KIマウスと交配した。ミクログリアを可視化可能なマウスを用いてアルツハイマー病態における同細胞の動態を解析したところ、アミロイドβが沈着している周辺にミクログリアが集積し、経時的にアミロイドβともに同細胞が増加していることが確認できた。また、タモキシフェンを投与してミクログリアを除去し、その後の経時的に解析したところ、コントロールマウスとミクログリアを除去したマウスを比較してアミロイドβの集積の大きさや頻度に大きな差はなかった。この結果、アミロイドβの集積にミクログリアが直接寄与していない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、学内における研究活動の制限がかかり当初予定していた研究の全てを行うことが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は週齢を重ねてアミロイドβの沈着が進むにつれてミクログリアの分布がどのように変化するのか、ミクログリア可視化可能マウスhAPP-KI/CX3CR1creERT/Rosa26-lsl-EYFPの脳を用いて免疫染色を行い、解析を行なっていく。また、継時的にhAPP-KI/CX3CR1creERT/Rosa26-lsl-DTAマウスにタモキシフェンを投与し、アミロイドβの沈着やアルツハイマー病がどのように変化するのか、解析を行なっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、学内における研究活動の制限がかかり、当初予定していた研究の全てを行うことが困難であった為、次年度使用額が生じた。次年度は遺伝子改変マウスを用いたADマウスの病態解析を行う予定である。
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