2020 Fiscal Year Research-status Report
Crohn病リンパ管内肉芽腫の成因および由来に関する検討
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20K16168
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
児玉 真 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60844529)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Crohn病 |
Outline of Annual Research Achievements |
Crohn病は原因不明の炎症性腸疾患であるが、組織学的には肉芽腫が特徴であり、病因との関連も指摘されている。Crohn病において、肉芽腫はリンパ管内にも10%程度の頻度で見られ、リンパ管内に存在する肉芽腫の重要性はこれまでも指摘されてきたが、リンパ管内肉芽腫の性質などはほとんど解明されていない。本研究の目的は、Crohn病のリンパ管内肉芽腫とコントロール検体のリンパ管内組織球の発現遺伝子を網羅的に比較することで、リンパ管内肉芽腫の性質を明らかにすることである。 2020年度は、Crohn病20症例、潰瘍性大腸炎20症例、非炎症性腸疾患10症例を用いて、リンパ管内肉芽腫がCrohn病に特異的であり、リンパ管内の組織球の数自体がコントロールと比較して増加していることを免疫組織化学的に明らかにするとともに、それぞれ代表的な標本を用いてCrohn病リンパ管内肉芽腫とコントロールリンパ管内組織球のタンパクの発現を比較した。Crohn病リンパ管内肉芽腫、コントロールの組織球ともに、リンパ管内を移動する際に必要な分子であるCCR7および抗原提示に必要なMHCclassIIを発現しておりリンパ管内をリンパ節へと移動する抗原提示細胞であることが示唆された。また抗原提示細胞の成熟に関する分子であるICAM-1は、コントロールと比較しCrohn病リンパ管内肉芽腫で強い染色性が観察され、Crohn病では抗原提示細胞が異所性に成熟しているものと考えられた。 2021年度は、当初の計画通り、Crohn病リンパ管内肉芽種、コントロールリンパ管内組織球をマイクロダイセクション し、RNAseqを行い、発現遺伝子を網羅的に比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により、共通機器使用のための講習の受講が遅れるなどしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づき推進する。
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Causes of Carryover |
共通機器使用の講習会の受講が遅れたため、マイクロダイセクション からRNA抽出の作業の遅延が生じた。RNA解析に使用予定の費用や人件費などにより次年度使用額が生じた。次年度使用額は当初の予定通り、RNA解析などに使用する。
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