2023 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the signaling pathway of VEGFR-2 in recurrent or malignant meningiomas
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20K16169
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中田 聡子 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (30569091)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 髄膜腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
再発を繰り返す髄膜腫、悪性の髄膜腫については、現在は手術療法、放射線治療が中心で、有効な全身療法は確立されていない。我々はこれまでに髄膜腫に おいてチロシンキナーゼ受容体の免疫組織化学的な解析を行い、VEGFR-2の高発現がCNS WHOグレード2・3で有意に多く、再発と有意に相関することを明らかにし た。しかし髄膜腫におけるVEGFRのシグナル伝達経路の詳細な報告はまだない。 本研究では「再発・悪性髄膜腫におけるVEGFR-2のシグナル伝達経路の中で何が 重要なのか」を明らかにしたい。R2年度は髄膜腫の臨床情報の収集、病理組織診断の見直し、R3,5年度はパラフィン切片での免疫組織科学的解析をすすめた。 R4-5年度は髄膜腫手術例の凍結材料からmRNAを抽出し、髄膜腫におけるチロシンキナーゼ受容体のリガンド、シグナル伝達の下流分子についてのTaqman Array Plateを用いた解析を行なったが、まだ十分な量のデータが得られていない。そのため、予後や画像所見などの臨床情報、病理組織学的解析、免疫組織化学的解 析と合わせた統計学的な解析にはまだ進めず、再発・悪性髄膜腫におけるVEGFR-2のシグナル伝達経路の中で何が重要なのかは明らかになっていない。またWHO分 類が新しくなったため、組織分類の見直し、CDKN2A/2Bについての解析を加え、WHO2021分類に則った分類が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
R4年度に介護休業を取得、R5年度より協力研究員となったが、研究を終了させるために十分な時間の確保ができなかったため、またR6年度に繰り越すこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は髄膜腫におけるチロシンキナーゼ受容体のリガンド、受容体のリン酸化、競合する 受容体と関連分子、シグナル伝達の 下流分子の発現 を明らかにし、臨床情報、病理組織学的解析と合わせて、統計学的な解析を行う。またWHO分類が新しくなったため、組織分類の見直し、 CDKN2A/2Bについての解析を加え、その上で、再発・悪性髄膜腫におけるVEGFR-2のシグナル伝達経路の中で何が重要なのか、治療戦略につながる可能性について考察し、研究成果としてまとめる。協力研究員として所属している人体病理学教室と脳外科学教室で、解析の支援を受け、研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
R4年度に介護休業を取得、R5年度より協力研究員として、研究を継続しているが、終了させるために十分な時間の確保ができなかったため、R6年度に継続することとした。 R6年度は髄膜腫におけるチロシンキナーゼ受容体のリガンド、受容体のリン酸化、競合する 受容体と関連分子、シグナル伝達の 下流分子の発現 を明らかにし、臨床情報、病理組織学的解析と合わせて、統計学的な解析を行うため、追加実験に必要な物品や英文校正、学会発表のための旅費について使用する。
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