2020 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症に対するチオレドキシンの抗酸化機構の解明と新規治療薬の開発応用
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20K16172
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
北尾 慎一郎 鳥取大学, 医学部, 助教 (60724804)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
活性酸素の除去を促進する多機能蛋白質であるチオレドキシン(Thioredoxin:Trx)は、その生体防御機構を格段に強化し、ALSの脊髄運動神経細胞死の抑制と生命予後の延長を実現することが期待される。本研究の目的は、Trxを過剰に発現させたALSマウスの運動機能が改善し、かつ寿命が延長することを実験的に示し、TrxのALSに対する効能や効能獲得のために必要なTrx量を病理組織学的・画像解析により明らかにすることである。2020年から2021年の実施要項として、マウスの飼育・運動機能評価、MRI画像解析まで計画中である。 ①.所属施設の学内の動物実験室での飼育・運動機能評価:研究代表者が科研申請時に所属し、科研実践の場に予定していた鳥取大学医学部病理学講座脳病態医科学分野の教室が2020年度に無くなったため、研究支援室と動物実験施設との協議の上で、研究遂行の場を動物実験施設内へと移行した。ALSモデルマウスの購入、当施設先進医療センター動物実験施設でのALSモデルマウス繁殖・個体識別・遺伝子型解析・日常点検/ケージ交換の方針を決定した。 ②.実験動物の非侵襲的MRI撮像・画像解析:鳥取大学農学部附属動物医療センターでの疾患モデル動物のMRI撮像目的に、同施設内の非疾患モデルラットにおける脊髄MRIの画質を評価した。ALSモデルマウスの信号強度比をより正確に評価するために、より高磁場なMRI装置を有する他施設でのMRI撮像を行うことに決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の所属教室の異動、コロナ禍における研究実施制限、実験動物搬送制限、実験施設実習制限、臨床業務負担増加に伴うエフォートの低下などによる進捗状況の遅れを認めているが、現在調整中である。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況に遅れが発生しており、本研究の土台となるALSモデルマウスの飼育、MRI撮像法の確立をまず最優先に遂行する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属教室の異動やコロナ禍での研究環境の変化に伴い研究進捗状況の遅れが生じており、当初予定していた物品費、旅費、その他の費用の多くを消費しきれなかった。翌年度分経費と併せて、動物実験施設での実験動物購入・飼育費、他施設でのMRI撮像経費、データ解析用の設備備品費を中心に配分したい。
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