2020 Fiscal Year Research-status Report
プロトンポンプ阻害薬関連胃底腺ポリープとdysplasiaの発生機序に関する検討
Project/Area Number |
20K16174
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
福田 昌英 大分大学, 医学部, 客員研究員 (80854299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PPI / 胃底腺ポリープ / dysplasia |
Outline of Annual Research Achievements |
PPI関連胃底腺ポリープのdysplasiaの遺伝子解析を行うために、wnt-βcateninシグナルをや、胃癌に高頻度に変異が認められる遺伝子を含んだ、胃癌パネルを独自に作成した。PPI関連胃底腺ポリープのdysplasia症例は、大分大学医学部附属病院のみの症例数では検討に不十分と考えられたため、全国から症例を募集することとした。また、近年、報告が増加しているラズベリー様外観を示す腺窩上皮型腫瘍が胃底腺ポリープに合併するdysplasiaではないかという仮説に基づいて、遺伝子の解析、検討も同時進行を行うこととした。現在解析の途中ではあるが、両病変は臨床病理学的に類似する点があるものの、両者は異なる病変であることが分かり、胃底腺ポリープには既報のとおりCTNNB1変異やAPC変異が高頻度に観察されたが、ラズベリー様外観を示す胃腺窩上皮型腫瘍にはそれらのwnt-βcateninシグナルの変異を有する病変は1病変も認められなかった。現在、さらに作成した胃癌パネルには含まれていない遺伝子の変異についての解析をサンガーシークエンスで調べている状況である。場合によっては、全ゲノムシークエンスも検討する予定である。さらに、胃底腺ポリープのdysplasia症例にはAPCの変異が多いことがわかった。現在、PPI関連胃底腺ポリープのdysplasiaを経験した、7施設とともに共同研究を開始し、病理学的、分子学的な解析を今後行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫染色の条件検討等が終了している。胃がんパネルの作成、解析が一部終了し、分子学的な解析が可能であることを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、7施設の各倫理委員会に研究計画の承認を待っている状態である。倫理委員会の承認後は、免疫染色や遺伝子解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度購入予定の物品(次世代シークエンサー試薬等)が不要になり、次年度の購入予定となったため。
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Research Products
(2 results)