2022 Fiscal Year Annual Research Report
プロトンポンプ阻害薬関連胃底腺ポリープとdysplasiaの発生機序に関する検討
Project/Area Number |
20K16174
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
福田 昌英 大分大学, 医学部, 医員 (80854299)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胃底腺ポリープ / 胃腺窩上皮型腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
PPI長期内服中の胃底腺ポリープに合併したdysplasia症例に関して、全国の施設から症例集積を開始したが症例の集積に難渋した。PPI長期内服中の胃底腺ポリープに合併したdysplasiaの遺伝子解析を行うため、独自のカスタム遺伝子パネルを作成し、次世代シーケンサーを用いた解析を行うこととした。パイロットスタディとして、胃底腺ポリープと、その異同に関する議論があるラズベリー様外観を呈する胃腺窩上皮型腫瘍の症例について病理形態的特徴、免疫染色、遺伝子解析を開始した。ラズベリー様外観を呈する胃腺窩上皮型腫瘍と胃底腺ポリープの差異を検討するため、HE染色、免疫染色(MUC2、MUC5AC、MUC6、H/KATPase、pepsinogen1、Ki67、p53、β-catenin)を行った。粘液形質の発現に関しては、胃腺窩上皮型腫瘍の上皮部分とdysplasiaを合併の胃底腺ポリープの一部にMUC5AC陽性であった。MUC2、MUC6は両ポリープの異型上皮においていずれも陰性であった。β-cateninの核内以降に関しては、dysplasia合併の胃底腺ポリープでは確認されたが、ラズベリー様外観を呈する胃腺窩上皮型腫瘍に関しては核内以降は認められなかった。次に、wnt-βcatenin系の遺伝子を含め(CTNNB1、APC、AXINなど)15遺伝子を含んだ遺伝子パネルを作成して遺伝子解析を行った。胃腺窩上皮型腫瘍では遺伝子変異は認めれなかった。胃底腺ポリープにはCTNNB1とAPCの遺伝子変異が認められた。
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