2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of activation mechanisms and exploration of inhibition therapy of HGF-MET signal in cancer microenvironment
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20K16175
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
木脇 拓道 宮崎大学, 医学部, 助教 (40866068)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MET / HGF / 合成HGF活性化阻害剤 / HAI-1 / 患者腫瘍由来オルガノイド / 患者腫瘍由来移植マウス / がん三次元培養 / プロテアーゼイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
がん組織における HGF-MET シグナル活性化機構の解明と,その阻害療法の開発を目的として研究を進め,以下の成果を得た. 1. 合成 HGF 活性化阻害剤が HGF 依存性 MET 活性化を阻害する可能性について,口腔扁平上皮癌細胞株に線維芽細胞を加えた共培養系を用いて解析したが,インヒビターに有意な阻害効果は確認できなかった.細胞株によって HGF 依存性 MET 活性化の程度が異なることが考えられ,複数の細胞株を用いた比較検討を行っている. 2. 口腔扁平上皮癌細胞株をヒト HGF ノックインマウスに皮下移植して合成 HGF 活性化阻害剤を投与し,腫瘍形成に与える影響を検討したが,有意な増殖抑制効果はみられなかった.このため,腫瘍増殖そのものへの HGF の寄与は限定的と思われた.先行研究では MET シグナルの転移巣形成への貢献が示唆されているため,尾静脈静注・肺転移形成モデルを用いた HGF-MET シグナルの解析,および合成 HGF 活性化阻害剤の効果検討を行う計画とし,ヒト HGF ノックインマウスにおける尾静脈静注・肺転移形成モデルの確立に向けた検討を行った. 3. 患者腫瘍由来オルガノイド(PDO)および患者腫瘍移植マウス(PDX)の作成を進めた.本年度は新たに大腸癌 1 例の PDO を樹立したほか,腎癌や肝臓癌の検体からも PDO 樹立を試みた.樹立した PDO および PDX の組織学的・免疫組織学的解析,遺伝子解析,RNA・タンパク質発現解析等を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HGF 依存性 MET 活性化機構の解析については,in vitro および in vivo の実験系を確立できており,解析が進んでいる.合成 HGF 活性化阻害剤については,当初の想定ほど阻害効果を示していないため,使用する細胞株や実験系について再検討を行っている.PDO および PDX の樹立については予定通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
1. 複数の細胞株を比較検討し,HGF 依存性 MET 活性化機構の解明および阻害療法の開発に適した細胞株を選定する.また,合成 HGF 活性化阻害剤について,共同研究者において改良が進んでおり,新たな阻害剤を用いた実験を行う. 2. 尾静脈静注・肺転移形成モデルを用いて,転移巣形成におけるHGF 依存性 MET 活性化機構の関与を明らかにし,合成 HGF 活性化阻害剤の効果を検討する. 3. 樹立した PDO および PDX を使用し,HGF-MET シグナル活性化機構の解析,および合成 HGF 活性化インヒビターの作用解析に資する実験系を確立する.
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Causes of Carryover |
実験計画の再検討を要したため,本年度に予定した実験の一部を行うことができなかった.次年度は当初の予定に加え,新たな実験(マウス尾静脈静注・肺転移形成実験)を行うため,この実験に次年度使用額を充当する.
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