2022 Fiscal Year Research-status Report
Filigree pattern - A new concept for lung carcinoma pathology
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20K16180
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
江本 桂 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40570859)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | Filigree pattern / 肺腺癌 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、肺腺癌の形態を網羅的に解析し、悪性度を反映する新しい形態学的特徴をFiligree patternとして報告した。Filigree patternは、米国のコホートを用いた研究で、既存の形態学的分類のうちで最も悪性度の高いMicropapillary patternと類似した悪性度を示したことから、Micropapillary patternの定義を拡大して内包することを提唱した。しかし、Filigree patternの本邦での意義や分子学的特徴に関する知見は乏しく、検討の必要があると考えられる。具体的には、①Filigree patternの本邦のコホートでの臨床的意義解明、②肉眼的・組織学的な特徴の整理、③特定の分子の検討による機序解明、④人工知能によるFiligree patternの識別能向上、を目的とする。
三年目となる2022年度の成果は以下の通りである。
A)Filigree patternの有用性については中国等のアジア民族コホートからも再現性が確認されてきており、Filigree patternを含めた分類による発展性を示す研究が求められると考えた。
B)デジタル診断補助AIツールを用いた解析に着手した。第111回日本病理学会で異なる撮像機でのデジタルスライドを用いるとAIの結果に差が出ることを発表したため、これを受けて撮像機や染色条件は均一化した。AI作成時にFiligree patternを認識できるようMicropapillary patternの教師データを設定した。
C)当初計画にあった免疫染色を施行し、良好な染色性を得た。それぞれの症例についての詳細な組織評価を開始した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に明らかにした異なる撮像機を用いると同じプレパラートであってもAI判定に影響が出ることを2022年春の第111回日本病理学会総会で発表した。
2021年度の結果を受け、Filigree patternを含んだMicropapillary patternの臨床病理学的意義を明らかにするため、組織亜型を識別するAIプログラムの作成を行い、典型的な教師画像に対して再現率が良いプログラムを作成した。腫瘍最大割面に対してプログラムを施行し、Whole tumorでの解析および臨床的なデータと照らし合わせた臨床病理学的な意義について解析を開始した。
平行して、施行した免疫染色の評価と臨床病理学的な解析を開始した。
解析後に結果の意義を検討・解釈し、学会発表や英文論文投稿を予定している。
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| Strategy for Future Research Activity |
Filigree patternは中国などのアジア民族国家からも悪性度の指標としての有用性を再現したという研究が複数報告されてきており、意義そのものについての反論的な結果はほとんど見受けられない。胸部腫瘍におけるWHO classification(第5版)にも採用されており、概念自体も浸透しつつあると考えられる。
そのため、当初の目的であったFiligree patternの意義を検討する方向性から一歩踏み込み、Filigree patternを取り入れた新分類を用いての検討および臨床病理学的な意義検討についての解析を行って発表することを予定している。
最終年度である2023年度は、前年度までにまとめた臨床データ、組織標本の検討結果、AIによる評価データを組み合わせ、Filigree patternとその応用についての解釈し、論文作成する予定である。
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| Causes of Carryover |
海外を含む複数の学会に参加し、発表や情報収集を行うつもりでいたが、引き続きCOVID-19の影響もあり、学会参加は必要最低限に控えたことが大きく影響した。また、予定していた免疫染色については、別の研究で用いた抗体の残余分を使用したものもあり、新規の抗体購入分が予定より少なくなった。
余剰分については論文の校正や投稿費、本年度の学会での発表・情報収集等に充てる予定である。
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