2021 Fiscal Year Research-status Report
発生・分化に基づいたグリオーマ細胞の解析および特異的マーカーの開発
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20K16190
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松村 望 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20729511)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グリオーマ / 分化階層性 / 表現型 / 形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
WHO分類改訂に伴い、グリオーマの診断では形態学的分類に遺伝学的分類を取り入れた統合診断を行うこととなったが、遺伝学的検索をすべての医療機関で行うことは困難である。一方、従来行われてきた形態学的分類では、診断者間で組織分類にばらつきが生じるという問題点が指摘されてきた。その一因として、グリオーマの形態学的多様性および組織特異的マーカーの欠如が考えられる。一方、近年の研究でIDH変異グリオーマはいずれも分化階層性をうかがわせる3種類の細胞群からなることが報告された。また遺伝学的に分類されたグリオーマでは、特徴的な表現型が見られることも明らかにされている。本研究ではグリアの発生、分化に関与する転写因子の発現に基づいて、遺伝学的に分類された各グリオーマ組織における特異的な表現型を見出し、さらに表現型とグリオーマの形態学的特徴との関係性を見出す。これによってグリオーマの発現形質と形態の特徴、さらに分化階層性との関連に対する知見を深めることで、グリオーマの形態学的診断の精度を向上させることを目的としている。現在、抽出した対象症例に対してIDH1 R132H変異抗体およびSOX9、SOX10およびNFIAそれぞれを組み合わせた2重染色を終了し、発現結果を解析した。さらに追加染色を実施、終了し、追加染色の結果を併せ、結果全体の解析・解釈を行っているところである。また併せて、研究成果を公表するべく準備をしており、今後しかるべき学会において発表および論文として公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、追加染色を含め想定していた実験を終了することが出来た。今後、研究期間中に新たに報告された新たな知見も含め、研究結果を十分に解析していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため、研究結果を十分に吟味し、その成果をしかるべき形(学会発表および論文発表)で公表するべく準備していく予定である。
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