2020 Fiscal Year Research-status Report
脈絡叢上皮細胞の輸送体を介した乳酸の脳室内過剰輸送に基づく認知症増悪機序の解明
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20K16193
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
村上 龍太 香川大学, 医学部, 助教 (40751186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症 / 乳酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖の代謝物である乳酸を、やりとりするための輸送体であるモノカルボン酸トランスポーターおよび、その受容体について詳細にヒト剖検脳を用い実験を行いました。ヒト脳の脈絡叢という組織に、乳酸の輸送体や受容体が確認され、ここから乳酸が取り込まれ、なんらかの働きをしていると考えられます。 この結果をまとめ"Immunoreactivity of receptor and transporters for lactate located in astrocytes and epithelial cells of choroid plexus of human brain"として論文投稿を行い、Neuroscience Letters という雑誌採択され、2021年1月11日に掲載されました。 詳細は専門的にすぎるため省きますが、このモノカルボン酸トランスポーターのうちの2種類が脈絡叢の上皮において、ちょうど対側に位置していることが確認されました。存在が確認されているだけれ機能については不明ですが、3つの研究計画のうちの実験1についてはある程度達成できました。実際の認知症患者さんや糖尿病患者さんでの研究結果が望まれますが、ブレインバンクからの提供は困難を極めるとのことで本年度は香川大学医学部でのデータをもとに報告しました。 コロナウイルス感染症の影響もあるため、ある程度計画については変更しつつこれから乳酸過剰投与状態での脈絡叢について評価していく予定です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1-3を立案し、本年度中に実験1についてはひとまず完了した。症例ごとの比較については単一施設では困難であるためブレインバンクからの提供を依頼しているが、音沙汰なくあまり現実的ではない。そのため、症例ごとの比較は諦めひとまず脈絡叢に乳酸の輸送体や受容体が確認できたということで論文発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
実験2-3に計画している動物実験を行う予定である。 糖尿病モデルマウスおよび認知症モデルマウスの購入、飼育についての目処が着き次第着手する予定である。
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Research Products
(1 results)