2020 Fiscal Year Research-status Report
MYC関連蛋白MAXからとらえなおすDLBCLの分子動態
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20K16200
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山下 高久 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60464749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DLBCL / 次世代シークエンサー / プロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではびまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)におけるMYC asscosiated factor X (MAX)によるMYCの調節機構の解明を目指している。MYCはDLBCLにおける重要なドライバー遺伝子とされており、その機能亢進が悪性度に影響を及ぼすとされている。しかしながら、MYCの蛋白発現を正確に判定する方法はまだ確立されていない。そこで我々は、DLBCLにおけるMYCとその会合分子であるMAXに注目した。 具体的には、(1) DLBCLの細胞株を使用してMYCとMAXのDNAへのbinding siteを同定し、さらにその結合状態を調べるために次世代シークエンサーを用いたChip-seq解析を行っている。現在までに次世代シークエンサーを使用し、2つのDLBCLの細胞株での解析を終了している。また、(2) 免疫組織学的な検討として、DLBCL症例のホルマリン固定サンプルを使用して、MYC、MAXの免疫染色を行っており、すでに300例を超える症例での解析を完了している。具体的には、その染色結果よりMYCだけでなく、MAXの免疫染色を加えることでDLBCLの予後の層別化が図れる可能性が示唆されている。また遺伝子再構成を調べるために、FISH検査を行っており、約80%の症例で解析が終了している。 また、研究の一環として、公共データベースでの解析も加えて行っており、2つのデーターセットにおいて、本研究の結果と同様にMYCとMAXの発現による予後の層別化が可能であることを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで2つの細胞株で次世代シークエンサーを使用した研究を終了している。また、免疫組織化学的な解析はほぼ終了しており、研究は順調に進行しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、次世代シークエンサーを使用した検討を加えていく予定である。現在まで行った免疫染色の結果を本年度のリンパ網内系学会へ発表を予定しており、さらに来年度へむけて細胞株の研究結果と合わせて論文化を考えている。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンサーを使用した研究において、試薬を2021年3月(2020年度)に購入し、支払いは2021年度に持ち越されたため、差額が生じました。
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