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2021 Fiscal Year Annual Research Report

眼球疾患におけるAIM関連食作用機構の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 20K16213
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

谷口 香織  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (30746920)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywords自己由来異物 / 食細胞 / 眼球疾患
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、血液網膜関門(BRB)で守られた環境である眼球におけるAIMの機能解明を目的とした。
まず健常マウスでは房水産生部位である毛様体にAIMの存在が確認され、血中からBRBを透過したAIMの一部はミクログリアへ取り込まれ、一部は色素上皮へと移動している様子から、血中AIMは房水中へ浸透する事が示唆された。
次いで異物蓄積が期待される老齢個体を解析したところ、AIM欠損マウス(AIMKO)では網膜形成異常が検出され、主に死細胞貪食を担うミクログリアは、野生型(WT)と比較してAIMKOで増加傾向にあった。異物蓄積により損傷を受ける網膜色素上皮細胞(RPE)について解析したが、その指標とされる多核化は両群間で同程度であった。
そこで異物産生が亢進される病態モデルとして、先ずメチルニトロソ尿素投与モデルを用いた解析を試みたが、劇的な網膜変性を呈しAIM有無による差異の検証には不適であった。次に限局的な網膜変性を生じるrd8マウスを用いた解析を試みたが、網膜変性の程度および発症頻度への影響は認められなかった。一方で、一部ミクログリアを含む細胞浸潤が水晶体嚢赤道面から後部へかけて検出され、AIM欠損下でより増加する傾向が見出されたものの、統計学的有意差には至らなかった。さらに間接的に網膜変性との関与が報告されている高脂肪食負荷による検証も試みた。特に傷害を受けるとされるRPEに焦点を当て、RPE層における脂質蓄積あるいはドルーゼン形成、血管新生等について解析をしたが、AIM有無による明らかな差異は検出されなかった。
以上からAIMの眼球組織恒常性維持への寄与は示唆されるが、病態モデル解析ではその解明に至らなかった。理由として異物蓄積による機能破綻は慢性的な傷害を基盤とする点、代替機能の存在などが挙げられ、今後、病態モデルへのAIM投与やAIM過剰発現系を用いた検討が必要であると考える。

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Published: 2022-12-28  

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