• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

がん再発時における免疫学的がん微小環境の解明

Research Project

Project/Area Number 20K16214
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

浅野 達雄  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (60708080)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
Keywordsリンパ節転移 / リンパ節ストローマ細胞 / マクロファージ
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、がん再発時におけるがん微小環境の免疫学的機序を解明し、がん治療後の再発を予防する方法を開発することである。我々は遠隔転移や再発の原因として所属リンパ節への転移に着目した。リンパ節を構成する細胞のうち間葉系細胞とリンパ節転移との関連性についての報告は乏しい。前転移状態においてリンパ節細網線維芽細胞(FRC)に発現しているIL-7やCcl21といったサイトカインが減少することでT細胞B細胞の抗腫瘍活性を低下させることが報告されている。しかし現在ではFRCは複数のサブセットに分類されることが知られており、より詳細な解析が必要とされている。FRCのサブセットのうちリンパ節濾胞の最外層に局在し辺縁洞を裏打ちする辺縁細網細胞(MRC)に着目した。近年、MRCはRANKL-RANK signalingを介してリンパ管内皮細胞(LEC)と協調し被膜下洞マクロファージ(SSM)の分化と維持に必要であることが報告されている。SSMはリンパ液由来の病原体抗原への免疫反応の最前線であるとともに、抗腫瘍性の免疫反応も促進することが報告されている。これらの報告より、我々は所属リンパ節においてはSSM-MRC-LECで形成される微小環境 (SSM-MRC-LEC Niche)に変化があり転移が促されると仮説をたて研究計画を立案し検証した。定常状態・前転移状態・転移後におけるSSM-MRC-LEC Nicheの解析をフローサイトメトリーや組織学的評価によって行なった。 定常状態・前転移状態・転移後におけるMRC, LECの遺伝子変化のをRNA-seqによて解析しリンパ節転移前後における遺伝子変化の網羅的解析を行った。その結果、転移前後における特徴的な遺伝子発現変化を認めた。この遺伝子変化に着目し遺伝子欠損または過剰発現マウスを作製し、リンパ節転移への影響を解析する方針である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究はマウスを中心に解析した。ヒト・マウスともに高頻度にリンパ節転移を行うがん種として乳がんと悪性黒色腫を選択した。マウス悪性黒色腫細胞B16F10株、マウス乳がん細胞E0771株にZsGreenとLuciferaseを遺伝子導入し解析を容易にした。悪性黒色腫細胞は側背部に皮下注後3週間、乳がん細胞は第4乳腺に注入後5週間でセンチネルリンパ節転移が成立することを確認している。本研究ではRNA-seqを使用した網羅的解析を行うとともに、既にSSM-MRC-LEC Nicheで重要性が指摘されているRANKL-RANK signalingに着目した実験系を計画した。
(1) 定常状態・前転移状態・転移後におけるSSM-MRC-LEC Nicheの解析フローサイトメトリーによる細胞数や細胞比率の比較。構造変化の組織学的評価 を行なった(HE染色・免疫染色)。(2) 定常状態・前転移状態・転移後におけるSSM, MRC, LECの遺伝子変化の解析 。ソーティングし各細胞毎にRNA-seqを行い、リンパ節転移前後における遺伝子変化の網羅的解析を行った。その結果、転移前後における特徴的な遺伝子発現変化が確認できた。(3) RANKL-RANK signaling のリンパ節転移への影響の評価。ストローマ細胞特異的RANKL欠損マウスの作製を行った。

Strategy for Future Research Activity

RNAseqで得られた遺伝子変化に着目し遺伝子欠損または過剰発現マウスを作製し、リンパ節転移への影響を解析する。これまでの結果をもとにリンパ節転移に必須の分子を同定し、転移阻害剤を検証する。RANKL-RANK signaling のリンパ節転移への影響の評価を深めるために抗RANKL抗体投与下でのリンパ節転移モデルの解析を行う。細胞特異的なの解析を行うためににMRC特異的RANKL欠損マウス (Ccl19-Cre RANKL floxed)、SSM特異的RANK欠損マウス (Cd169-Cre RANK floxed)、LEC特異的RANK欠損マウス(Lyve1-Cre RANK floxed)を用いたリンパ節転移モデルの解析を行う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] OPG Production Matters Where It Happened2020

    • Author(s)
      Tsukasaki Masayuki、Asano Tatsuo、Muro Ryunosuke、Huynh Nam Cong-Nhat、Komatsu Noriko、Okamoto Kazuo、Nakano Kenta、Okamura Tadashi、Nitta Takeshi、Takayanagi Hiroshi
    • Journal Title

      Cell Reports

      Volume: 32 Pages: 108124~108124

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2020.108124

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi