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2022 Fiscal Year Research-status Report

Investigation of the molecular mechanism of RON4 in Plasmodium berghei sporozoite infection of mammalian hosts

Research Project

Project/Area Number 20K16235
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

馬場 みなみ  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00814906)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywordsマラリア / Plasmodium berghei / スポロゾイト / 侵入 / 肝細胞
Outline of Annual Research Achievements

マラリア原虫は蚊の中腸壁で発育し、哺乳類への感染型であるスポロゾイトとなる。スポロゾイトは自律的に蚊の唾液腺に侵入し、吸血とともに哺乳類体内に打ち込まれ、血流に乗って肝臓へと到達、肝類洞壁を通過して肝細胞に感染する。本研究はスポロゾイトが、全く異なる種類の細胞に侵入・感染するためのメカニズムを明らかにするための足がかりとして、分泌型タンパク質RON4の各ステージにおける作用機序を明らかにすることを目的としている。
前年度はスポロゾイトの運動性や肝細胞への接着・侵入にRON4が関与しているかをRON4を明らかにするため、RON4 C末端にmCherryを融合させた原虫(RON4-mCherry)を用いてRON4タンパク質の発現パターンを観察した。さらにRON4の発現を抑制することでスポロゾイトの運動性が大きく抑制されたため、移動中のスポロゾイトがRON4を分泌しているかを知るため、スライドグラス上で滑走運動をさせたスポロゾイト表面を染色した。その結果、スポロゾイト体外にRON4シグナルが観察された。このことから、スポロゾイトは滑走運動中にRON4を分泌していることが示唆された。
スポロゾイト体外に分泌されているRON4が肝細胞への侵入に関与するかを明らかにするため、唾液腺スポロゾイトに抗RON4抗体を処理し、培養肝細胞への感染効率をコントロール群と比較した。その結果、コントロール抗体処理群では抗体非処理群と同等の感染効率であったが、抗RON4抗体投与群の感染効率は両コントロール群の1/3以下まで低下していた。更に抗RON4抗体による肝細胞への感染阻害は抗体濃度依存的であった。以上の結果を踏まえ、RON4はスポロゾイト体外に分泌され、肝細胞への感染に重要な役割を持つことが示唆された。
これらの成果をまとめ、科学雑誌mSphereに投稿、採択された(in printing)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

22年度内に成果をまとめ、論文を投稿したものの、投稿後の追加実験に蚊の唾液腺及び体液内スポロゾイトを用いた実験が含まれており、予想以上の時間がかかったため。加えて追加実験結果投稿後、採択までに時間を要したため。
更にスポロゾイト体外に分泌されたRON4/RON2/RON5の局在を明らかにするための免疫蛍光染色の条件検討に時間を要しているため。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究でRON4はスポロゾイトの移動から肝細胞への感染までの間にスポロゾイト体外に分泌されていることを示唆する結果を得た。マラリア原虫の赤血球感染型であるメロゾイトでは、赤血球への侵入時に複合体を形成すると考えられており、スポロゾイト由来のRON2, RON4, RON5も共免疫沈降法にて複合体を形成することを報告している(Nozaki et al, mSphere 2020)。そこでスポロゾイト体外分泌後のRON4の局在に、RON2/RON5が共局在しているかを明らかにするため、IFAによる確認を行う。さらにRON4cKDスポロゾイトでRON2/RON5の局在が変化するかを観察する。
RON4はシグナルペプチドと予想される配列がある以外、機能ドメインは明らかとなっていない。RON2/RON5との結合部位を知るために、C末端側から100アミノ酸ずつ短くした変異型RON4を合成する。これらの変異型RON4とスポロゾイトの溶解物で共免疫沈降を行い、原虫由来のRON2/ RON5がどの長さの変異型RON4まで結合するかを確認して、結合部位を特定する。
さらにRON4cKD原虫の非必須遺伝子座(p230p)に、RON2/ RON5結合部位を欠損させた変異型RON4の発現コンストラクトを導入する。コントロールとして、野生型のRON4を発現させる。作成した変異型RON4発現スポロゾイトの各感染ステップについて、RON2/ RON5の局在がコントロールと異なるのか、IFAで明らかにする。加えて、複合体を形成しないことがスポロゾイトの各感染ステップに与える影響を知るため、変異型RON4発現スポロゾイトが1)唾液腺に侵入できるか、2)運動性の確認、3)肝細胞へ感染できるかを評価する。

Causes of Carryover

本研究成果をまとめ投稿した論文は年度内に掲載されなかったため、次年度使用額が生じた。採択済みであるため、掲載され次第掲載料の支払いを行う。
また今年度実施予定であったRON4とRON2、RON5との結合部位を知るためのRON4分断体作製と共免疫沈降は、RON4/RON2/RON5の分泌後の局在を明らかにするための免疫蛍光染色を優先させたため、遅れている。このため、当実験に必要な試薬、及び実験消耗品などの購入を計画している。さらに結合部位を欠損した変異型RON4を原虫に導入するためのトランスフェクション用の試薬、変異型RON4の表現型解析に必要な試薬、実験消耗品の購入を計画している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Rhoptry neck protein 4 plays important roles during Plasmodium sporozoite infection of the mammalian liver2023

    • Author(s)
      Minami Baba, Mamoru Nozaki, Mayumi Tachibana, Takafumi Tsuboi, Motomi Torii, Tomoko Ishino
    • Journal Title

      mSphere

      Volume: - Pages: -

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] マラリア原虫Plasmodium bergheiスポロゾイトにおけるAMA1の役割2022

    • Author(s)
      馬場みなみ、野崎守、橘真由美、鳥居本美、石野智子
    • Organizer
      第91回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] RON4 is involved in attachment ability and motility of Plasmodium sporozoites necessary for invasion of hepatocyte and cell traversal2022

    • Author(s)
      Minami Baba, Mamoru Nozaki, Mayumi Tachibana, Motomi Torii, Tomoko Ishino
    • Organizer
      The 20th Awaji International Forum on Infection and Immunity
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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