2020 Fiscal Year Research-status Report
Population genomics of pathogenic fungi
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20K16254
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松前 ひろみ 東海大学, 医学部, 助教 (00735681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 進化ゲノミクス / 真菌 / de novo assembly / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで深在性真菌症の原因真菌であるスエヒロタケの菌株について、一定の割合で高純度・高分子のDNAを得ることができていたが、株によって得られるDNAの品質や量にバラツキがあった。そこで、共同研究者の協力を得てより安定的に取れる系を構築した。 新たにショートリードで9株のdeep sequencingを行った。またそのうち1株をロングリードでdeep sequencning し、標準株としてゲノムアセンブリの系を構築した。ロングリードでのゲノムアセンブリのパラメータを探索した結果、ハプロイドのゲノムに対して、coverage depthが100x、 40-50程度のコンティグ数、N50/L50=3MB程度、unassembled readsはリード全体の0.02%という良質な結果を得られるパラメータセットが判明した。そこで今後はそのパラメータセットを標準的に用いる。またゲノムの倍数性が不明な株は、ハプロイドと同じパラメータで解析を行うとコンティグ数がハプロイドゲノムの2-3倍になることがわかった。この結果は、deep seqと遺伝的多様性の高さにより、核毎にゲノム配列がアセンブルされている可能性があるため、今後、遺伝子配列などを確認して、その検証を行う。 ハプロイドの標準株ゲノムに対して、既存の遺伝子モデルをTBLASTNで探索したところ、tophitの配列であってもIdentityが著しく低く、そのままでは遺伝子レベルの解析ができないことが判明した。そこでRNA-seqに基づく新規遺伝子アノテーション予測を目的としてゲノム支援に応募し、最終的に採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で共同研究先での実験や消耗品の納品が進まなかった。また既存の遺伝子モデルが使えず、遺伝子アノテーション予測が新たに必要になったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
研究上の課題は、ゲノム支援に採択されたため、ゲノム支援の援助を元に解消を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で国内外の出張費が使えなくなったり、研究計画の変更が余儀なくされたため。また購入を検討した機器が不要になった。そこで、次年度ではゲノム支援での遺伝子モデルの構築に必要なRNA-seqのための試薬やシーケンシングに予算を使用する予定である。
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