2020 Fiscal Year Research-status Report
小腸貪食細胞が腸管管腔中へ分泌する生理活性分子の探索及び生理的役割の解明
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20K16276
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (80845107)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腸管免疫 / マクロファージ / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸管粘膜固有層に存在する免疫細胞中で小腸ミエロイド系細胞の一種である小腸CX3CR1+貪食細胞は腸管上皮細胞間から樹状突起を腸管管腔中へ伸長し管腔中の細菌を捕捉することで病原性細菌に対する感染防御へ寄与することを申請者はこれまでに報告している。これに加え、小腸CX3CR1+貪食細胞は様々なサイトカインなどの分泌成分を多様に発現することが知られている。上記の特徴から、申請者はCX3CR1+貪食細胞は樹状突起を管腔中へ伸長することで直接的に生理活性分子を管腔中へと分泌し、それらが腸内細菌に直接作用することで正常な腸管管腔環境を維持しているのではないかと着想した。申請者は小腸CX3CR1+貪食細胞が分泌型PLA2IIDを腸管組織において特異的に発現していることを明らかにし、小腸末端において多量に存在していることが確認された。実際に分泌型PLA2IID欠損マウスの個体レベルでの表現系の解析を行ったところ、野生型に比較して著しい加齢に伴う腸内細菌叢の変化が観察された。今後、これらの腸内細菌叢変化が個体へ与える影響を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想通り、分泌型PLA2IID分子が管腔内に分泌されることがELISAにて確認できた。実際に分泌型PLA2IID欠損マウスでは腸内細菌叢の変化、特に加齢に伴う腸内細菌叢の変化を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
分泌型PLA2IID分子が樹状突起を管腔中への伸長に依存して分泌されているかを、樹状突起伸長に必須の分子であるG-protein coupled receptor 31やCX3CR1遺伝子欠損マウスを用いて評価する予定である。また、腸内細菌叢の変化が加齢に伴うことから、今後、加齢や腸内細菌に関わる疾患感受性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス拡大のため、実験時間の短縮や実験試薬の供給不足により当初の想定より実験を行うことができなかったため。
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Research Products
(4 results)