2021 Fiscal Year Research-status Report
抗酸菌感染初期におけるCARD9依存的な宿主防御応答の解析
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20K16285
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
豊永 憲司 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (90791567)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗酸菌感染 / 宿主防御 / Th1応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの解析から、Mycobacterium bovis BCG(BCG)を用いた経気道感染実験では、感染7日後と21日後の肺内菌数は野生型およびCARD9欠損マウスであまり変わらないが、感染21日後の臓器内IFNγ量はCARD9欠損マウスにおいて低いことを見出している。このことが、その後の宿主防御へ与える影響を明らかにするため、当該年度では、より長期間の感染実験を行った。感染3週間後と9週間後の肺内菌数を検討したところ、感染3週間後では、これまで同様に臓器内菌数に差は認められなかったが、9週間後ではCARD9欠損マウスにおいて臓器内菌数が多い傾向にあることを見出した。以上の結果から、BCGを用いた経気道感染マウスモデルにおいては、CARD9は感染初期の菌排除には積極的に寄与せず、より後期の段階での宿主防御機構に寄与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BCGの経気道感染マウスモデルにおいて、感染初期の菌排除にCARD9が寄与するという当初の予想とは異なる結果となったが、より後期の防御応答、特に慢性感染状態におけるCARD9の寄与を示唆する知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
BCGの経気道感染マウスモデルでは、CARD9欠損が感染後期の宿主防御に影響を与える可能性を見出したが、強毒株である結核菌感染においてCARD9欠損が与える影響を明らかにする。結核菌感染では、臓器内菌数だけでなく、感染後の生存率や体重変動もモニターする。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに順調に進行しており、残額は次年度に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)