2021 Fiscal Year Research-status Report
微量なEGFR T790M遺伝子変異肺癌の臨床的意義の解明と新たな検出手法の確立
Project/Area Number |
20K16336
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
立松 勉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40721874)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺癌 / EGFR遺伝子 / T790M変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究意義・重要性】 EGFR遺伝子T790M変異による薬剤耐性化が臨床上大きな問題となっている。T790M変異は二次的な薬剤耐性遺伝子変異と言われているが、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤未治療のEGFR遺伝子変異陽性肺癌でもT790M変異陽性例が存在する。よって通常のPCR検査の検出限界以下の微量なT790M変異を有する可能性がある。本研究では、EGFR遺伝子変異肺癌切除検体中のT790M変異の頻度や変異率を調査し、予後不良因子となりうるかを検討する。また極微量の遺伝子変異検索が可能なCAST-PCRやDigital PCRなどを用いて微量なT790M変異の新たな検出法確立を目指す、この検討で、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の正確な治療効果予測やEGFRチロシンキナーゼ阻害剤を含めた肺癌治療がより適切に選択できるようになる可能性があり、EGFR遺伝子変異陽性肺癌の予後を改善させることができる可能性があると考える。 【当該年度に実施した研究実績】 2015年から2021年までのEGFR遺伝子陽性肺癌切除凍結保存検体よりgenomic DNAを抽出した。CAST-PCRは前年に引き続き2021年まで測定が終了し、1997年から2021年までの213例について測定が終了した。2020年から2021年の症例について、臨床的・病理学的背景(年齢m性別、既往歴、肺癌組織型、EGFR遺伝子変異のステータス、TNM分類、ステージ)、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の使用の有無と使用されたEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の種類、他の治療歴(放射線治療・化学療法)や術後再発、術後生存期間についても調査し、2019年以前の症例についても予後の再調査を行い、今後検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19に対する業務増加や臨床における人員減少に伴う相対的業務量増加、PCR消耗品の品薄などにより当該研究遂行に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
CAST-PCRの測定が終了したため、今後必要なデータをまとめて統計学的な検討を行う予定。 残り1年という研究期間も考慮しつつ、パラフィン包埋組織による検討の追加なども検討する予定である。
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Causes of Carryover |
研究の遅延を生じたことにより、使用予定であった消耗品の消耗が少なく結果として次年度使用額が生じたと考えている。次年度で消耗品の購入などに使用する予定である。
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