2020 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺癌におけるDLL3の機能及び遺伝子異常の検討
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20K16349
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古田 恵 北海道大学, 大学病院, 医員 (00848765)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | DLL3の機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
DLL3の腫瘍増殖、遊走能・浸潤能に関する機能の検討 SCLC細胞株(H82、H69、MS-1、RERF-LC-MA、SBC-3、SBC-5、H592、H209、H1688)のうちDLL3が発現していた小細胞肺癌細胞株(H82、H69、MS-1)を用いて、DLL3 siRNAトランスフェクションにてDLL3を抑制後、足場依存性または足場非依存性増殖をMTT assayで検討した。DLL3 knockdownにてH82で僅かに足場依存性の増殖能が低下していたが、DLL3 knockdownで他の細胞株においては増殖能の低下は認めなかった。transwell assayを用いて遊走能、浸潤能を調べたところいずれの細胞株においてもDLL3 knockdownにより遊走能、浸潤能は低下した。DLL3のknockdownによってNOTCH1の発現が低下、上皮間葉転換マーカーの変化はEcadherin、Vimentinの変化は認めなかったが、Snailの発現が低下していた。H82細胞株でSnailを knockdownしたところDLL3 knockdownした場合と同様に遊走能・浸潤能は低下していた。さらに、DLL3低発現細胞株であるSBC-5にDLL3プラスミド導入によるoverexpressionを行ったところ、細胞増殖能・遊走能は亢進し、snailの発現は亢進していた。NOTCH1発現においてはDLL3 overexpressionによっては亢進していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 当初の予定としてDLL3 knockdownおよびDLL3 overexpressionによる細胞増殖能、遊走能、浸潤能の評価を行う予定であり、DLL3 siRNAおよびDLL3プラスミド導入実験の確立に成功した。さらに、増殖能、浸潤能、遊走能の実験方法を確立することができた。DLL3 knockdownにおける増殖能の有意な変化は認めなかったが、浸潤能、遊走能ともに低下しており、DLL3 overexpressionにおいては細胞増殖能・遊走能が亢進しておりDLL3は小細胞肺癌においてOncogenicに機能する可 能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.DLL3とNotch1との関連の検討 DLL3 knockdownおよびoverexpressionによりNOTCH1発現の変化が認められた。DLL3の機能変化がNOTCH1を介して機能しているか確認するためNotch1のknockdownもしくはoverexpressionを行いDLL3の機能変化と同様の変化があるかを確認する。 2.DLL3機能のin vivoでの検討 in vivoにおける腫瘍増殖はゼノグラフトマウスモデルにDLL3をoverexpressionしたSCLC細胞株を皮下注射し腫瘍サイズ、増大スピードを測定する。その際、形成されたマウスの腫瘍組織を切除し腫瘍組織におけるDLL3、Notch関連蛋白、EMTマーカーの発現を確認する。 3.DLL3遺伝子変異細胞株の樹立とその機能の検討 申請者の検討でSCLCにおけるNGSを用いたDLL3遺伝子変異の解析において48例中7例に遺伝子変異を認め、そのうち6例では細胞外ドメインのEGF-like repeat上にflame shift mutationを認めた。そのためこの遺伝子変異をもつSCLC細胞株を作成しDLL3遺伝子変異SCLC細胞株のNotch pathwayに与える影響をウェスタンブロット法やqRT-PCR法を用いて確認する。また腫瘍増殖能、遊走能・浸潤能の変化をwild typeと比較する。
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Causes of Carryover |
DLL3 overexpressionしたSCLC細胞株を作成の進捗が遅れたので次年度使用額が生じました。今後はin vivoにおける細胞増殖をゼノグラフトマウスモデルを用いて調べ、さらに、マウスに形成された腫瘍組織を切除し腫瘍組織におけるDLL3、Notch関連蛋白、EMTマーカーの発現を確認する計画があります。2021年度にこれらの実験を開始する予定であり残額についてもこれらの解析に使用いたします。
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