2020 Fiscal Year Research-status Report
血清中cell free DNAを用いた悪性リンパ腫の中枢神経再発リスクの研究
Project/Area Number |
20K16365
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 智貴 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80834001)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / 中枢神経再発 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)患者の重要な予後不良因子である中枢神経(CNS)再発を予測するための精度の高い因子を検討するものである。 リスク因子として特定の遺伝子変異の関与を考えている。加えて、当初は患者のcell free DNA中に腫瘍由来の遺伝子変異を認めることをCNS再発のリスク因子として検討していたが、方針を変更した。今後は「骨髄中に腫瘍由来の遺伝子変異が検出されること(病理学的に骨髄への腫瘍浸潤を認めない症例においても)」がCNS再発のリスク因子である可能性を検討している。 多施設よりCNS再発したDLBCL患者が合計で47例が登録され、国内では最大級のCNS再発DLBCL患者のコホートであると考えられる。今後は収集した患者の腫瘍組織と骨髄組織から抽出したgenomic DNAを用いて、次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析を行っていく予定である。これまでに半数程度の症例からgenomic DNA抽出を完了した。解析対象とする遺伝子は、DLBCLで頻度が高く認められる12遺伝子を選択し、今後ターゲットシーケンスを予定している。 また、本研究に附随して、登録された47症例の臨床・病理学的な特徴についての評価と、CNS再発後の臨床経過や予後に関しても検討を行っていく。臨床的な検討については、現時点では初診時からCNS再発までの期間中央値は10.7か月、CNS再発後からの生存期間中央値は430日という結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設間の症例集積に時間を要したが、完了した。 各症例の組織からgenomic DNAを抽出しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した症例の臨床・病理学的な評価を行う。特にCNS再発した後の予後解析を行い、予後に関連する因子の検討を行う。 また、本研究の主要なテーマであるCNS再発リスクの評価については、腫瘍組織および骨髄組織からのgenomic DNA抽出を遅滞なく進め、次世代シーケンサーによる遺伝子変異解析へと進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
検体の収集作業が遅れたため、genomic DNAの抽出および次世代シーケンサー解析を実施できなかった。翌年度は検体の収集状況が進んでおり、予定通り助成金の使用を見込む
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