2021 Fiscal Year Research-status Report
Phosphorylation status-dependent roles of TGF-beta receptor-regulated SMADs in inflammation-induced chemoresistance of breast cancer
Project/Area Number |
20K16368
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
裴 恩真 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (40773388)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳癌 / トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β) / 治療抵抗性 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌は、日本人女性の癌罹患の中で最も多い癌腫である。原発乳癌の術後療法や、手術後局所再発や遠隔転移に対して、内分泌療法、化学療法、各種分子標的薬による治療が行われるが、治療抵抗性であることが多く、乳癌が治療抵抗性を獲得することを防ぐ新規治療方法を開発するためには、治療抵抗性の分子機序解明を要する。トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)と慢性炎症は、乳癌をはじめ様々な癌の悪性化因子である。TGF-βはSmadと呼ばれる細胞内信号伝達分子、慢性炎症を引き起こす炎症性因子はSTATと呼ばれる細胞内信号伝達分子をそれぞれ活性化し、標的遺伝子発現を調節する。本研究では、TGF-βと炎症性因子が、乳癌細胞の治療抵抗性と感受性をどのように調節するか解明することを目的とする。 ヒト及びマウス乳癌細胞株を用いて、炎症性因子が、Smadのリン酸化状態を変化させてTGF-βの細胞内信号伝達を正規の経路と異なる状態にし、内分泌療法や化学療法に対して抵抗性を誘導することを明らかにした。さらに、炎症性因子がSmadのリン酸化状態を変化させる上流の分子機序を明らかにした。次に、炎症性因子とリン酸化状態が正規と異なるTGF-βの細胞内信号伝達経路が、薬剤抵抗性と感受性を制御する下流の標的遺伝子を明らかにするために、SmadとSTATのリン酸化部位を変異させて活性化または不活性化したヒト及びマウス乳癌細胞株のRNA発現解析を行った。同定した標的遺伝子がどのように薬剤抵抗性と感受性を制御するかについて検証中である。 SmadとSTATのリン酸化部位を変異させたマウス乳癌細胞株同種移植実験を準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究者本人と施設におけるCOVID-19感染による隔離期間があった為、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書ではヒト乳癌細胞株をマウスに異種移植するモデルを計画していたが、マウス乳癌細胞株においてもヒト乳癌細胞株と同様の結果が得られた為と予算の制約から、抗腫瘍免疫も同時に検討できるマウス同種移植モデルに変更して生体実験を推進する予定とした。
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Causes of Carryover |
予算超過しないよう注意して使用した結果、10,187円の次年度使用額が発生した。試薬購入に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)