2023 Fiscal Year Annual Research Report
がん関連線維芽細胞が腫瘍関連マクロファージの分化/動員を誘導する分子機構の解明
Project/Area Number |
20K16372
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 潤 順天堂大学, 医学部, 助教 (80869933)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | がん関連線維芽細胞 / 腫瘍関連マクロファージ / 免疫微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の一部の成果は既に論文発表されている(Relationship between podoplanin-expressing cancer-associated fibroblasts and the immune microenvironment of early lung squamous cell carcinoma. Lung Cancer. 2021 Mar;153:1-10)。 上記本文で明らかにされたことは次の様なことである。1非小細胞肺癌において、podoplanin陽性がん関連線維芽細(PDPN+ CAFs)胞は腫瘍促進的なTAMsの集積と 相関していることが示された。2in vitroの実験において、PDPN+ CAFsでは免疫抑制的な腫瘍微小環境に関わるサイトカイン遺伝子発現の亢進が認められた。 上記論文発表以降、CAFsとTAMsの間にどのような相互作用が働いているのを明らかにすることを課題として取り組んできた。CAFsが免疫抑制的な腫瘍微小環境に関わる因子としてTGF-βが関与することが想定された。これを単球からマクロファージに分化させる系を確立して実証しようと試みたが、実験系の確立に非常に難渋し、直接的なメカニズムの解明な困難であった。 それでもCAFsがTAMsになんらかの経路で影響を与え免疫抑制的で腫瘍促進的な免疫微小環境構築に関与することは複数の研究報告からも濃厚だと考えられる。さらに改善した実験系の確立によってこの詳細なメカニズムが実証されることが待たれる。
|