2022 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳開始因子 Int6/eIF3e のリン酸化修飾を介した癌悪性化機構の解明
Project/Area Number |
20K16373
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
齊藤 紗希 (後藤紗希) 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医学研究センター, 研究員 (60756609)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HIF2α / Int6 / 遺伝子発現制御 / 上皮間葉転換 / 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
癌の発症および悪性化機序を解明することは、癌の新たな治療法ならびに治療薬の開発に貢献する。本研究では、乳癌関連因子 Int6 を介した低酸素応答性転写因子 HIF2α制御に焦点を当て、癌悪性化における新規分子機構を同定することを目指した。令和3年度までに、HIF2αの発現が増加した Int6 ノックダウン A549 癌細胞株を用いて、Int6/HIF2α経路が癌悪性化と関係が深い上皮間葉転換 (EMT) に関与していることを見出した。さらに、その分子機構として、HIF2αが EMT 関連転写因子である TWIST1 と共に、細胞接着因子 E-cadherin 遺伝子の発現制御に関与することを示した。令和4年度は、E-cadherin 遺伝子の制御領域における HIF2αと TWIST1 の挙動についてさらに検討し、TWIST1 に対する HIF2αのコレギュレータとしての機能を詳細に明らかにした。以上により、この内容で責任著者として原著論文を発表した (Genes Cells. 2022 27(12):689-705.)。 Int6 のリン酸化に関する解析では、Int6 のリン酸化レベルを変動させるシグナル経路の同定を試みた。種々のシグナル経路に対する活性剤または阻害剤を細胞に曝露したところ、p38/JNK MAPK 経路の活性化剤である Anisomycin において Int6 のリン酸化レベルの増加が認められた。一方、p38/JNK MAPK 経路の阻害剤 SB203580 を用いるとリン酸化レベルは減少した。続いて、LC-MS/MS によるリン酸化プロテオーム解析を行ったが、Int6 のリン酸化部位の同定には至らなかった。
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Research Products
(1 results)