2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K16376
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野沢 勇樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00836918)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | μ-PIC |
Outline of Annual Research Achievements |
近年放射線治療において、強度放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)などの技術を用いることで高い位置精度を担保し、1回もしくは少数回の照射で腫瘍に高線量を付与する「定位照射」を行うことが可能となってきた。そのため、実際の治療前に行う治療計画の照射検証においても、高い位置分解能の検出器で線量分布を測定する必要がある。本研究では、定位照射治療における照射検証用の簡易に取り扱うことが可能な高位置分解能検出器の開発を目的とする。当該年度は昨年度に構造を決定した検出素子である、汎用型の 10 cm × 10 cm の面積の μ-PIC の製作を実施した。当検出素子を検出器として使用するためには電離ガス中に配置する必要がある。そこで μ-PIC に関する有識者と製作業者と打ち合わせを行い、電離ガスとして生体等価ガスを用いることに決定した。またその生体等価ガスを封じ込めるための筐体としては、放射線治療装置からの X 線との散乱を考え、プラスチック素材を用いることに決定した。現在プラスチック素材筐体の製作業者との打ち合わせを行い、詳細な構造の決定を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検出器の全体の完成には至っていないが、10 cm × 10 cm の検出素子の購入が可能となったため、プロトタイプを制作する必要がなくなり、昨年度構造を決定した検出素子についての製作が完了しており、来年度に筐体の発注を行った上で実験が可能と見込めるため上記区分としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、検出器を格納するためのプラスチック素材筐体の詳細な構造を決定し製作を行うとともに、実機が完成し次第、放射線治療装置 (ライナック) を用いて照射実験を行う。
|
Causes of Carryover |
検出素子の製作と輸送がやや遅れたことにより、プラスチック素材筐体の当該年度の納入が見込めなかったため、当該年度はより詳細な構造の決定を行うことにした。翌年度に当プラスチック素材筐体の製作に用いる予定。
|