2021 Fiscal Year Annual Research Report
Early detection of biliary tract cancer using urinaly multi-tumor markers
Project/Area Number |
20K16381
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
狩野 陽子 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (70848986)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胆道がん / 尿中代謝物 / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
胆道がんは特異的腫瘍マーカーが無い。血液検査にてCEAやCA19-9という腫瘍マーカが上昇するが、すべての症例で上昇するとは限らず、また、胆道がん以外でも異常値を示すことがあるため、胆道がんを特異的に検出する方法は確立されていない。有効なバイオマーカーが存在しないため、そのバイオマーカーの開発は社会的意義は高く喫緊の課題となっている。難治性がんである胆道がんは2017年最新がん統計において年間死亡数1.8万人、3年生存率20%と極めて予後が悪い癌である。5年生存率が20%を切る難治性がんは、画像診断がいかに進歩しても検出が難しい。従って既に多くの症例では、手術にたどり着いた時には既に末期がんである。血中の物質と比較すると尿中代謝物は酵素の影響を受けにくく構造的に安定していることや、尿を検体に用いるため容易に採取でき、スクリーニング用途として利用しやすいこと、採取法も血液に対して非常に簡便になり、医療従事者の利便性も大きく向上する。以上の背景を踏まえ、胆道ガンをターゲットに尿中代謝物を用いた腫瘍マーカーの研究を開始した。本研究で胆道がん27症例(術前術後の尿計62サンプル)の尿中代謝物を網羅解析し、胆道がんに貢献度の高い尿中代謝物を確認した。全1524種の代謝物の中から、術前と術後4週間とで有意差ある代謝物113種(欠損値が多いものや外因性代謝物などを除外した86代謝物)を中心に解析を実施し、尿検体62サンプルのLC/MS測定から、未知構造含む計1524種類の尿中成分を検出し、各代謝物の重要度をランク付けした。本研究において胆道がんに疾患貢献度の高い尿中代謝物を同定したので、これらの胆道がんに貢献度の高い代謝物を集計し、特許申請(発明等の名称:尿中代謝物による胆道がん腫瘍マーカー(胆管がん検査方法))を行う予定である。
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