2020 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬の適切な投与間隔・期間、有害事象回避のアルゴリズム開発
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20K16391
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
橋本 康佑 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10866180)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ペムブロリズマブ / ニボルマブ / 投与間隔 / PET / 末梢血単核細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
投与間隔・期間の拡大については本研究は関与していないが、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブのト型抗ヒトprogrammed cell death-1(PD-1)ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の単独投与時の用法及び用量に関して、既に承認を取得している全ての9つのがん腫でこれまでの 1回240mgを2週間間隔で点滴静注する用法及び用量に加え、1 回480mgを4週間間隔で点滴静する用法及び用量が2020年9月25日に承認された。また、 MSDの抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の使用に際しても、1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する用法および用量に加え、1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する用法および用量が2020年8月21日に追加となっている。投与間隔拡大については既に目的が達成された形となった。これらについては薬物動態シミュレーションや曝露量と有効性または安全性との関係に基づいて検討した結果であり、実臨床の患者について非劣勢を確認したものではない。 独自の調査として、1st lineでのペムブロリズマブ治療においてFDG-PETで解析できるMTVとして評価された代謝性腫瘍活性はPD-L1高発現の非小細胞肺癌患者の予後を予測できることを当院で確認している。そのため、患者に非侵襲的な形で投与間隔拡大の安全性を確認できる手法として、FDG-PETが有用であると考えている。治療後のFDG-PETを後ろ向きに調査することで、長期生存患者の傾向を掴むことができ、投与間隔の調整や治療中断の検討もできる可能性を考えている。また、今回のテーマのひとつである、末梢血単核細胞についてもこれらで得られた患者集団について調査を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫チェックポイント阻害薬の適切な投与間隔・期間については投与間隔の拡大あるいは投与中止を目標に調査していたが、前述の通り投与間隔の拡大については研究期間中に保険承認されている。さらなる投与間隔拡大や投与中止の前向き研究については患者侵襲等の倫理的側面から考えると難しい。そのため、後ろ向きでのデータを作ることを目標とした。
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Strategy for Future Research Activity |
長期で免疫チェックポイント阻害薬によって病勢コントロールが得られた患者に限定し、病勢コントロール中に施行されたFDG-PETの集積を視覚的に五段階で評価することにより、長期病勢コントロール例の傾向が確認できると考えられる。また、副作用中止後に長期で休薬し、年単位での無増悪生存をしている症例が術臨床で散見されているため、その集団中には副作用中止で長期間治療中断および経過観察のみを行っている症例も多く存在していると考えられる。これらの症例の末梢血単核細胞を確認することで、投与中止後も無増悪生存をしている症例の免疫状態を確認することができると考える。
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