2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K16405
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久保 亘輝 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30727813)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 免疫療法 / 重粒子線治療 / 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では重粒子線(炭素イオン線)治療を受けた患者の末梢血中CD62LlowCD4+ T細胞数の変化に着目し、X線と比較した末梢血中CD62LlowCD4+ T細胞数の変化に与える影響の違いを検証することと予後に与える影響に関して調べることを目的としている。対象症例は重粒子線治療を施行したI期肺癌症例であり、60GyRBE/4回の治療を当院で施行した症例を候補とした。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当初は予定通りの症例集積ができなかったが、登録期間の1年間の延長をし、予算内での可能な範囲での症例を登録することができた。 登録症例の治療前、治療直後、治療後4週間の血液サンプルを採取し、解析を依頼している機関に送付している。解析そのものに関しては、他研究のサンプルと合わせて行うために、この報告書を作成時点ではまだ行われていない。また、予後とのかかわりを調べるために、解析対象となった症例では予後調査を今後継続して行う予定となっている。最終的な解析結果が出るのは経過観察期間が最低でも3年間は過ぎてからとなる予定であり、その後に学会や論文として報告予定である。 本研究により、重粒子線治療の予後予測バイオマーカーの提案や、放射線治療による全身的な免疫活性化を裏付ける臨床的データの確立が期待される。さらに将来的には、放射線治療、特に重粒子線治療と免疫療法の併用という、新たながん治療戦略の提案にもつながると考えている。
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