2021 Fiscal Year Annual Research Report
肝内胆管癌におけるDNAメチル化とIDH変異に関する包括的検討
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20K16418
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮田 辰徳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (80594887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝内胆管癌 / LINE-1 / DNAメチル化 / IDH変異 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肝内胆管癌 (Intrahepatic cholangiocarcinoma: ICC)におけるLong interspersed nuclear elements (LINE-1)のメチル化の状態及びICCのエピジェネティクスの制御として重要であるIDH変異の状態と臨床病理学的項目との関連について包括的に評価することにより、LINE-1及びIDH変異を予後改善のための革新的な治療ターゲットやバイオマーカーとして確立させ、ICCの予後改善に貢献することである。 本年度は既知の研究計画に基づき、ICCから抽出した癌部のDNAを用いて、IDH変異(IDH1及びIDH2)についてパイロシークエンス法を用いて評価した。食道癌細胞株にIDH1及びIDH2変異を組み込んだ変異株をpositive controlとして用いた。72例中9例 (12.5%)にIDH変異を認め、内訳はIDH1変異8例(11.1%)、IDH2変異1例 (1.4%)であった。患者情報を入手できた67例において、臨床病理学的因子とIDH変異の関係について評価した。連続変数はウィルコクソン検定で、名義変数はカイ二乗検定を用いて統計学的評価を行った。年齢、性別、肝炎の有無、アルブミン値、総ビリルビン値、プロトロンビン値、インドシアニングリーン15分値、肝硬変の有無において両群間に統計学的有意差を認めなかった。また、腫瘍因子において、腫瘍径、腫瘍個数、CA19-9値、分化度、脈管侵襲の有無、リンパ節転移の有無についても両群間に統計学的有意差を認めなかった。さらに、癌部、非癌部のLINE-1メチル化においても両群間で統計学的な有意差は認めなかった。長期予後についてカプランマイヤー法を用いてログランク検定で検討すると、両群間において無再発生存率 (p=0.06)、全生存率 (p=0.13)に統計学的有意差を認めなかった。
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Research Products
(11 results)