2021 Fiscal Year Research-status Report
新規分子標的FIRΔexon2をコンパニオンマーカーとしての意義や発現機序の解明
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20K16436
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小林 崇平 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (90846940)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分子標的マーカー / 悪性腫瘍 / 臨床検査 / 抗体医薬品 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の個別化(層別化)医療の考えからがん遺伝子パネル検査が保険収載された。原発不明癌や標準治療が不応となった患者において免疫チェックポイント阻害剤や適応外治療薬等の治療に結び付ける。最適な治療薬を探す目的からであるが、現状治療に繋がる割合が1割とかなりの低確率である。わが国における使用可能な分子標的薬が少ないということが要因としてあげられる。本研究では新規分子標的FIRΔexon2は、抗FIRΔexon2自己抗体の癌患者血清中に検出することを目的として,臨床検体を用いたコンパニオンバイオマーカーとしての意義を検討し、予後や治療反応性など臨床的意義や発現機序の解明を提案する。胃癌患者血清における抗FIRΔexon2自己抗体の臨床的意義の検討が達成し、成果として論文も受理された(Kobayashi S . et al . Anti FIRs (PUF60) auto antibodies aredetected in the sera of early stage colon cancer patients. Cancer Science 2021) 。さらに大腸癌患者血清における抗FIRΔexon2自己抗体の臨床的意義の検討が達成し、成果として論文作成中である。さらなる検出精度を上げるべくサンドイッチEILSA系の確立に着手している。また本研究の課題2で掲げている「新規の抗がん剤候補としての開発」においてFIRとFIRΔexon2の生体内での働きを解明する。それには分子生物学的検証を行う。FIRとFIRΔexon2のmRNAレベルとタンパクレベルにおける癌細胞株を対象に細胞増殖に関わるmTORパスウェイにおけるFIR・FIRΔexon2の影響について検討し、FIR・FIRΔexon2の機能が新しい癌メカニズムの一助にすることを解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大腸癌患者血清における抗FIRΔexon2自己抗体の臨床的意義の検討が達成し、成果として論文作成中である。さらなる検出精度を上げるべくサンドイッチEILSA系の確立に最も重要となるファージディスプレイ法を用いた不安定な構造を持つFIRΔexon2のアミノ末端に対するモノクローナル抗体の作製に成功した。また本研究の課題2で掲げている「新規の抗がん剤候補としての開発」においてFIRとFIRΔexon2の生体内での働きを解明する。それには分子生物学的検証を行う。FIRとFIRΔexon2のmRNAレベルとタンパクレベルにおける癌細胞株を対象に細胞増殖に関わるmTORパスウェイにおけるFIR・FIRΔexon2の影響について検討し、FIR・FIRΔexon2の機能が新しい癌メカニズムの一助にすることを解明する。
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Strategy for Future Research Activity |
AlphaLISA(化学増幅型ルミネッセンスプロキシミティホモジニアスアッセイ)を用いた検討では多種類の担癌患者血清中に抗FIRΔexon2自己抗体が検出された。 同様の解析方法を用いて、大腸癌患者血清を高性能PCにより解析評価した。論文を完成させてジャーナルへ掲載されるようにする。同時にファージディスプレイ法を用いた不安定な構造を持つFIRΔexon2のアミノ末端に対するモノクローナル抗体の作製に成功した。FIRΔexon2アミノ末端モノクローナル抗体の抗体作用や機能評価を進める。「新規の抗がん剤候補としての開発」においてFIRとFIRΔexon2の生体内での働きを解明する。FIRとFIRΔexon2のmRNAレベルとタンパクレベルにおける癌細胞株を対象に細胞増殖に関わるmTORパスウェイにおけるFIR・FIRΔexon2の影響について検討し、リーズナブルな結果に繋がっている。更なる検討を続けFIRとFIRΔexon2の生体内での働きを解明する。
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Causes of Carryover |
本研究の課題2で掲げている「新規の抗がん剤候補としての開発」において、分子生物学的検証を行うにあたり、他の研究では、NGS解析においてターゲット因子が絞れている。本研究ではそのターゲット因子に分子生物学的検証を行う段階まで進展したため次年度使用額を用いて着手した。 具体的にはFIRとFIRΔexon2の生体内での働きを解明する。FIRとFIRΔexon2のmRNAレベルとタンパクレベルにおける癌細胞株を対象に細胞増殖に関わるmTORパスウェイにおけるFIR・FIRΔexon2の影響について検討し、FIR・FIRΔexon2の機能が新しい癌メカニズムの一助にすることを解明する。FIR・FIRΔexon2の機能が細胞増殖に関わるmTORパスウェイに影響することが解明されれば、新規の抗がん剤開発に大きく進展する。
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Research Products
(7 results)