2021 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular biological study of Epstein-Barr virus-associated hemophagocytic lymphohistiocytosis
Project/Area Number |
20K16461
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
坂本 謙一 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20782048)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | EBウイルス / 血球貪食性リンパ組織球症 / EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症 / 全ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、HLH-2004に登録されたEBV-HLH 48例を対象として全ゲノム解析を行うことによりゲノム異常(DDX3Xを含む白血病・リンパ腫関連の遺伝子異常など)の有無を検討し、ゲノム異常と臨床情報を統合することによりEBV-HLHの新たな予後因子を解明する事を目的とする。 EBV-HLHは軽症例から重症例までさまざまな重症度の症例が存在する。これまで重症度や治療反応性を決定する因子についてさまざまな検討がなされてきたが、全ゲノム解析技術を用いてEBV-HLHの中心的役割を果たすクローン化したリンパ球のゲノム異常およびホスト側のゲノム異常を検討した報告は認められない。EBV-HLH発症の背景にあるゲノム異常を明らかにすることは、幅広い臨床像を示す本疾患の病態を明らかにするだけでなく、適切なリスク分類が可能となることにより適切な治療選択を可能とするため、その意義は非常に高いと思われる。 EBV-HLH48例中、全ゲノム解析を行う十分な検体量が確認できた23例について全ゲノム解析を開始した(うち14例は発症時と治療開始9週目のPair解析、9例は発症時検体のみの解析)。解析症例23例全体の発症時EBV-DNA量は白血球中357,626コピー/ml(範囲:5,236 -2,162,606コピー/ml)、血漿中1,793,562コピー/ml(範囲:6,348,211-12,318,730コピー/ml)であり、T細胞受容体(TCR)のクロナリティは14例(43.5%)に認められていた。 2021年4月25日、全ゲノム解析データを取得することができたため、解析を開始した。ゲノム以上の解析結果がまとまり次第、上記を含めた臨床情報との統合を行い、ゲノム異常の有無による予後や検査値の比較や治療標的の探索を行う予定である。
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