2021 Fiscal Year Annual Research Report
最適化された局所的経頭蓋交流電気刺激による皮質脊髄路興奮性修飾
Project/Area Number |
20K16467
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
田代 祥一 杏林大学, 医学部, 講師 (70528893)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 非侵襲的脳刺激 / 経頭蓋交流電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、非侵襲的交流電気刺激(tACS: transcranial alternating current stimulation) を臨床研究のステージまで引き上げることを目的に研究を行った。局所刺激モンタージュを用いたtACSについて、皮質脊髄路興奮性増強効果という観点から、刺激周波数、刺激強度について精査した。皮質脊髄路興奮性は、運動誘発電位(MEP: motor evoked potential)にて評価した。個別的周波数にて被検者ごとに調律したθ、α、β帯域のtACSと、それらtACSをenvelopとし140 Hzの高周波数帯γをcarrierとして用いたθ-γ、α-γ、β-γの合成波形の8通りを比較した。刺激効果は4通りに分類され、持続的に増強/抑制性に作用する条件の他、刺激直後は抑制性に作用するが経時的に興奮性に作用する条件の存在を見出した。 最も時間・効果に優れたβ帯域のtACSとθ波をenvelop, 140 Hzのγ波をcarrierとした合成波形に関して、刺激強度を変えて加えたところ、刺激強度を高めても効果はほぼ変化せず、むしろ、刺激中、刺激直後の値では、刺激強度が低い方が、皮質脊髄路興奮性が高まっている可能性が示唆された。また、Rg-βの方が、AM-θよりも効果が持続している様子が認められた。10分間の0.5 mAでのβ帯域のtACSによる皮質脊髄路興奮性増強効果は30分以上持続しており、臨床場面で十分に利用可能な条件であると考えられた。
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