2022 Fiscal Year Research-status Report
DREADD技術を用いた報酬価値に基づく行動決定に関わる神経回路の解明
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20K16471
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
瀬戸川 剛 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (80840785)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 行動決定 / 化学遺伝学 / 眼窩前頭皮質 / 線条体 / ニホンザル |
Outline of Annual Research Achievements |
状況に応じて適切な行動を選択することは、私たちが豊かな生活を送るうえで欠かせない。申請者はこれまでに、眼窩前頭皮質が行動決定を行う上で重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。本研究では眼窩前頭皮質―線条体の神経接続に着目し、化学遺伝学的手法を用いて当該経路の活動を操作することで動物の行動選択に与える影響を調べることを目的とした。 実験ではニホンザルに簡単な行動選択課題を行わせる。この課題は、報酬の価値が異なる複数の条件で構成されており、サルは試行ごとに、その試行を遂行して報酬を得るか、あるいは報酬をあきらめてすぐに次の試行に移るかを選択しなければならない。本研究の最終的なゴールは、化学遺伝学的手法であるDesigner Receptor Exclusively Activated by Designer Drugs (DREADD)技術をサルに導入し、眼窩前頭皮質―線条体の活動を人為的に抑制した際に上記の課題の選択傾向が変化するかどうかを調査することである。 令和4年度は、2頭のサルに上記の課題の訓練を完了した。また、手術により線条体に逆行性ウイルスベクターを用いて抑制性DREADDを導入した。ウイルス注入位置は造影剤としてマンガン溶液を同時に注入し、MRIを撮像することで確認した。現在はDREADD発現を待つ段階にある。発現後はDREADDのリガンドであるDCZを眼窩前頭皮質に注入し、眼窩前頭皮質―線条体を一時的に抑制することで、同経路の行動決定に与える影響を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に所属機関の変更に伴う実験機器の再セットアップが必要であったため。また、COVID-19の影響で旧研究室より実験機材の運搬の遅れ、実験動物の搬入の遅れがあり研究計画が全体的に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
逆行性ウイルスベクターを線条体へ注入する手術はすでに完了しており、現在は線条体へ神経投射のある神経細胞へ抑制性DREADDが発現するのを待つ段階にある。DREADDの現在用いてる行動課題への影響を調べるため、まずはリガンドであるDCZを全身投与し、課題の成績の変化を調査する。行動成績の変化を観察後、線条体へ投射している眼窩前頭皮質内の小領域へDCZを局所注入することで眼窩前頭皮質―線条体の行動決定への影響を調査する予定である。もしここで行動データの間に違いがみられなかった場合は、行動課題の変更、2頭目のサルに使用するウイルスベクターを順行性のものに変更するなどの対処をとる。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で、当初参加予定していた学会がオンライン開催になったため。また、研究の進捗が遅れていることに伴って、予定していた手術に関わる費用、実験に必要な薬品類の購入を見合わせたため。次年度に手術及び実験を行うことを予定しているため、その際に使用する。
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