2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of pathological mechanism of Spinocerebellar Ataxia type 6 (SCA6) by chemical biology.
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20K16484
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
申 民京 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, プロジェクト助教 (60738566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリグルタミン酸 / オートファジー / 脊髄小脳失調症6型 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)脊髄小脳失調症6型(SCA6)のポリグルタミン蛋白質の発現制御メカニズムの解明 本年度はまず、 脊髄小脳失調症6型 (SCA6)の原因遺伝子産物である Cav2.1-polyQ と α1ACT-polyQをそれぞれ発現させた細胞を用いたスクリーニングから、ポリグルタミン蛋白質の発現量を抑制できる化合物を同定した。 具体的には、①どのようなメカニズムでポリグルタミン蛋白質の発現量が抑えられているかを明らかにするため、この化合物によって活性化されるタンパク質を同定している。②更に当該分子の下流でポリグルタミン蛋白質の発現量が減少する分子メカニズムを明らかにしている。 (2)新規オートファジー誘導化合物によるポリグルタミン病の改善効果の検討 本年度の研究で、SCA6の原因遺伝子産物が、オートファジーで制御されることを解析した。オートファジー活性を上下させた時のCav2.1-polyQと α1ACT-polyQ の発現量をモニターすることにより、当該分子の発現がオートファジーによって調節されることを 明らかにすることに成功した。具体的には、①Cav2.1-polyQを発現したNeuro2a細胞、SCA6モデルマウスにおいて、新規オートファジーの活性変化を明らかにしている。②正常細胞とオートファジー欠損細胞(作成済み)にCav2.1-polyQを発現させ、分解の多寡、蓄積量の多寡を同定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年4月7日に新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言があり、仕事ができない期間が続いたが、研究の進捗は予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ポリグルタミン発現抑制化合物の標的分子の同定や以降のシグナル伝達機構の解明に注力する。 具体的には, Cav2.1-polyQ または α1ACT-polyQの発現を抑制するオートファジー誘導化合物を用い、(1)類縁化合物を合成し、構造活性相関情報を得ることで、高活性化合物を開発する。また、(2)構造活性相関情報をもとにfishing probeを合成して、化合物の分子標的を同定するマウスでの創薬開発研究に注力する。 (2)高活性オートファジー誘導化合物をSCA6モデルマウスに投与し、Cav2.1-polyQやα1ACT-polyQの分解や症状改善に有効であるか検討する。 具体的には、マウス個体を用いて、体重変化、生存率、神経学的所見、電子顕微鏡観察、神経細胞死の多寡、変性タンパク質蓄積量を調べる。 以上の研究により、ポリグルタミンタンパク質の凝集体形成および細胞内に蓄積に関する新たなメカニズムを解明し、その知見を応用した新たな治療薬の開発について、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言があった20年4月から約2.5ヶ月間は90%研究削減の指示が大学より出ており、細胞株やマウスの維持のみしかできなかったので、 次年度の使用額が生じた。 20年度に比べて21年現在は安定的に研究進んでいるので、SCA6モデルマウスを用いる実験を加速化させ、研究目的を予定通りに達成する。
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