2021 Fiscal Year Annual Research Report
Objective pain assessment of critical limb ischemia based on physiological indicators of the sympathetic nervous system
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20K16487
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宮前 誠 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (80829060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重症下肢虚血 / 交感神経反応 / 脈波 / 脈拍数 / スキンコンダクタンス / 発汗 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症下肢虚血患者の痛みに対する交感神経反応について、虚血部位と非虚血部位での違い、血管反応と発汗機能との違いについて検証するために、重症下肢虚血患者を対象とし、痛み刺激として熱刺激と駆血による虚血を用いて、血管反応として脈拍数と脈波振幅を、発汗反応としてスキンコンダクタンス反応を、虚血部位である下肢と非虚血部位である上肢の2か所で計測して解析を行った。熱刺激は前腕に装着した温冷刺激装置(Pathway、Medoc)を用いて36から50度の間で段階的に温度を上昇下降させた。駆血による虚血はマンシェットを上腕に巻き収縮期血圧+50mmHgのカフ圧をかけた状態で手指の開閉動作による運動負荷を行い、虚血による痛みを誘発した。脈拍数と脈波振幅はパルスオキシメータを用いて脈波形を経時的に記録して、得られた脈波形から脈拍数と脈波振幅について1秒毎の平均を算出した。スキンコンダクタンス反応はスキンコンダクタンスメータで計測した波形からピークを検出しその振幅を算出した。対応のあるt検定を用いて統計解析を行った。熱刺激において、脈拍数、上肢の脈波振幅、上肢と下肢のスキンコンダクタンス反応に有意な変化を認めたが、下肢の脈波振幅では有意差を認めなかった。駆血による虚血においては、上肢と下肢のスキンコンダクタンス反応に有意な変化を認めたが、脈拍数および上肢と下肢の脈波振幅では有意差を認めなかった。熱刺激は鋭敏な変化に対して駆血による虚血は緩徐な変化であるため、交感神経反応に違いに生じたと考えられた。交感神経反応として、発汗反応は鋭敏であるのに対して、血管反応は緩徐であり、特に虚血部位である下肢においてその傾向が強いことが示唆された。
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