2020 Fiscal Year Research-status Report
全脳ニューロンアトラスによる神経変性疾患モデルの一細胞解像度全脳病態解析
Project/Area Number |
20K16498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三谷 智樹 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90866534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織透明化 / イメージング / 画像解析 / パーキンソン病 / 神経変性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速な超高齢化時代を迎え、アルツハイマー病、パーキンソン病等の神経変性疾患に対する注目度はますます高まっており、克服に向けた研究は急務である。これまで異常タンパク質の蓄積を代表とする神経細胞内毒性の分子機構、さらに近年ではグリア細胞も含めた脳内環境の重要性が解明されてきたが、病態解明はごく一部の典型的部位に制限されてきた。しかしそれでは、患者の多彩な症状や病態を反映しきれず、未知の病変が数多く残っている。例えば、パーキンソン病において認知機能低下や鬱症状、幻覚、レム睡眠行動異常症(延髄)、注意障害(前頭葉)といった非運動症状が最近注目されているが、病態解明にはごく一部(中脳-黒質-線条体)しか解析されておらず、脳全体を俯瞰的に見て何がどこでどのような順で起きているのかは全くわかっていない。その詳細を明らかにするためには、全脳の細胞情報を一細胞レベルで網羅的に調べ上げる必要があるが、これまでにそのような報告はない。 本研究の目的は、神経変性疾患の全脳病態研究の基盤を構築することである。 全脳染色手法・全脳イメージング・全脳自動神経検出をする方法を確立する。そのために必要な全脳染色手法はすでに確立されており(Susaki EA et al Nat Commu (2020))、申請者自身で開発した高速高解像度のマルチカラー顕微鏡(Mitani TT et al Nature Protocols(2019))を用いることで、多数のサンプルのTBスケールの全脳イメージング手法を確立している。全脳自動神経検出に関しては、改良を重ねて精度を検証している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パーキンソン病モデルマウスおよびコントロールマウスの合計24匹の全脳サンプルに対してすでに抗体染色・核染色の共染色は完了しており、すでに高解像度顕微鏡による撮影が終了している。報告した高速細胞検出を細胞種検出用に改良を施した解析により、神経細胞の全脳自動検出の実証・評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞の全脳自動検出の質をより向上させることで、全脳スケールで網羅的な神経細胞数の定量比較を遂行する。さらに、これらの解析をほかの神経変性疾患モデルに応用することで、全脳病態解析の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染の影響があり、機器類のデモ・特注等が遅れており未使用金が発生したが、今後の使用計画としては機器の自作の検討及び試薬等の消耗品の購入に充当する。
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