2022 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集を用いた多発性硬化症におけるケモカインCCL20とCCL9の機能解明
Project/Area Number |
20K16499
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐知 望美 大分大学, 医学部, 技術専門職員 (90777468)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ケモカイン / 多発性硬化症 / CCL20 / CCR6 / CCL9 / CCR1 / ゲノム編集マウス / 病態モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
CCL20欠損マウスの定常状態における免疫細胞の分布はこれまで解析されていなかったので、CCR6欠損マウスと比較し解析した。両欠損マウスの胸腺T細胞の分化、並びに骨髄B細胞の分化は正常であった。さらに、脾臓の微小構造とそれを構成する免疫細胞の割合も正常であった。したがって、CCL20/CCR6が一次及び二次リンパ組織におけるリンパ球の発生や恒常的な分布に必ずしも必要でないことが明らかになった。 昨年の解析で両変異マウスのEAEの病態が増悪化することを見出したが、中枢への炎症細胞浸潤を解析したところ、変異マウスにおけるCD4陽性T細胞数は野生型マウスと同等以上であったが、Th17細胞やTreg細胞の割合には有意差を認めず、脊髄組織中のIL-17 mRNA発現レベルにも顕著な差は認められなかった。一方、変異マウスの脾臓樹状細胞表面のPD-L1の発現が野生型マウスより比較的高いことが明らかになったが、病態との関連は見出せなかった。以上の結果より、CCL20/CCR6による細胞遊走は、EAEの発症に必ずしも必要なく、他のケモカインシグナルによって代償されている可能性が示唆された。この研究成果をまとめ国際的学術誌に公表した。 一方、昨年CCL9欠損マウスが得られたので、本年はEAEを誘導し病態を解析した。現時点では十分な解析は行えていないが野生型に比べて重症化する傾向がみられた。今後の詳しい解析が必要である。CCR1欠損マウスもホモ接合体が得られたので、CCL9欠損マウスの対照群として解析する予定である。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Functional analysis of chemokine receptor CCR2 in a murine congenital toxoplasmosis model2022
Author(s)
Noganori Kamiyama, Nozomi Sachi, Sotaro Ozaka, Shimpei Ariki, Thanyakorn Chalalai, Yasuhiro Soga, Chiaki Fukuda, Yomei Kagoshima, Supanuch Ekronarongchai, Masahiro Yamamoto, Takashi Kobayashi
Organizer
第15回寄生虫感染免疫研究会
-