2023 Fiscal Year Research-status Report
敗血症診療における迅速網羅的原因菌定量検出および薬剤感受性検査同時検査法の構築
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20K16515
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
荻原 真二 東邦大学, 医学部, 非常勤研究生 (80790005)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | デジタルPCR / 薬剤感受性検査 / viability PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症診療では診断と治療の遅れが治療の失敗につながり、特に敗血症性ショックでは治療開始が24時間遅れると致命率が90%を超える。現在の敗血症における診断及び治療に関する検査項目は血液培養検査があるが、検体提出から原因微生物検出(診断)と感受性のある抗菌薬が決定(治療)されるまでに3日以上を要する。そこで申請者は、viability PCR法とデジタルPCR(dPCR)法を応用することで、簡便かつ精度のよい迅速微生物定量検出法と薬剤感受性検査法(viability-dPCR法)を考案した。新法は短時間の抗菌薬暴露で微量生菌サンプルの定量変化を識別できる。 令和5年度は以下の検討を行った。 これまで大腸菌を用いたviability-dPCR法を検討しており、今年度はMEPMと緑膿菌を用いた検討を行った。その結果、大腸菌よりviability-dPCR法の効果は乏しく、有意差を得ることはできなかった。また、大腸菌と同じ抽出法で実施したのも関わらず、検出できたコピー数が低く、検出感度が低下していることが明らかになった。これらの結果から、緑膿菌の超微量サンプルではviability-dPCR法は適していないことが考えられる。今後、上記の原因を調査し改善策を講じて進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
緑膿菌の抽出効率及びviability効果低下の原因究明ができず、この対応に予想以上の時間がかかってしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
緑膿菌を含めた効率的な抽出法を開発し、viability効果を高めて多菌種に対応した迅速薬剤感受性検査法を確立する。
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Causes of Carryover |
デジタルPCR消耗品に充てるためだった予算が計画通りに使用できなかったため、残額が生じた。 今年度予算は残額を合わせて、主に核酸抽出に関する試薬とデジタルPCR消耗品に充てる予定である。
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