2023 Fiscal Year Annual Research Report
総合診療における高IgG4血症の臨床的および血清学的特徴の解析
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20K16521
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
長谷川 功 岡山大学, 大学病院, 講師 (60825884)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IgG4関連疾患 / 高IgG4血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究によりIgG4,IgG,IgG4/IgG,C3,C4,CH50はIgG4関連疾患とIgG4関連疾患疑診群で有意差を認めた。また、IgG4,IgG,IgG4/IgG,IgA,Ba,CRP,C3,C4,CH50はIgG4関連疾患とその他の疾患群で有意差を認めた。 IgG4関連疾患においてIgG4とIgGは正の相関を、IgG4とIgMは負の相関を示し、IgG4関連疾患疑診群ではIgG4とIgGで正の相関を示し、その他の群においてIgG4とC3は正の相関を示した。 本研究における障害臓器は、IgG4関連疾患確診群では顎下腺・リンパ節・後腹膜及び腎臓が多く、IgG4関連疾患疑診群では後腹膜が57%と最も多いことが判明した。小唾液腺生検は簡便で低侵襲性であるが、IgG4関連疾患の確定診断に至ったのはわずか1/12例と8%であり、IgG4関連疾患の診断確定には有用な生検部位でない可能性が考えられる。 IgG4関連疾患において血清IgG4,IgG,IgEは上昇し、一方で血清IgM, IgAは上昇せず低値を示すことが分かり、CRPは正常(~軽度上昇)に留まることが分かった。 本研究では顎下腺、膵臓、後腹膜において、確定群の14%で閉塞性静脈炎を、43%で花筵状線維化を認めたが、疑診群やその他の群ではこれらの所見は見られなかった。したがって、花筵状線維化や閉塞性静脈炎の病理所見はIgG4RDを診断する上で重要な所見と考えられた。 本研究ではIgG4関連疾患はIgG4関連疾患疑診群やその他の疾患群と比べ好塩基球数が増加していた。この理由として、好塩基球のToll-like receptorの活性化がB細胞によるIgG4産生を誘導し、B細胞活性化因子(BAFF)およびIL-13の産生によりIgG4RDの発症に役割を果たす可能性が考えられた。
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