2022 Fiscal Year Research-status Report
インスリン抵抗性惹起因子レジスチンを高発現する新たな単球サブタイプの統合的解明
Project/Area Number |
20K16523
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
池田 陽介 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (60866698)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 単球 / マクロファージ / レジスチン / インスリン抵抗性 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、単球・マクロファージのサブタイプ別にレジスチン遺伝子発現・機能解析を行い遺伝子・環境因子相互作用を明らかにする。①患者/対照において、単球・マクロファージのサブタイプ別にレジスチン遺伝子発現を比較する。②一般住民において、SNP-420の遺伝子型が、各サブタイプでの発現に及ぼす影響を解明する。③患者in vivoならびに単離したサブタイプの細胞in vitroにおいて、環境因子の影響を明らかにする。以上を統合し、レジスチンの発現細胞を 焦点に、炎症とインスリン抵抗性をリンクするメカニズムを解明し、新規分子標的の同定に繋げる。 「目的1. 単球・マクロファージのサブタイプ別にレジスチン遺伝子発現を比較する」について、2型糖尿病患者50名、耐糖能正常ボランティア50名から血清を採集し、ELISA法で血中レジスチン濃度を測定する。 「目的2. レジスチンSNP-420の遺伝子型が各サブタイプに及ぼす影響を明らかにする」について、一般住民約2000名において、血中レジスチンは測定済みで、血清・RNAも既に収集し、レジスチンSNP-420はTaqMan法でタイピングした。この中の約100名をレジスチンSNP-420のC/C型、C/G型、G/G型に分ける。単球・マクロファージのサブタイプ毎に、レジスチン遺伝子発現をRT-PCR法で測定し、細胞抽出液中のレジスチン蛋白は高感度ELISA法で測定する。 「目的3. 環境因子が各サブタイプに及ぼす影響を解明する」について、2型糖尿病患者50名において、教育入院期間である2週間で、環境の変化が各サブタイプに及ぼす影響を解析する。 2022年度は2型糖尿病患者の検体採取方法についての準備を進めた。耐糖能正常ボランティアの検体を使用してフローサイトメトリーによる単球サブタイプ分類の手技の見直しを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローサイトメトリーによる単球サブタイプ分類の手技が確立されてきているが、手技の安定性にかけるため、患者検体を使用した解析に移れていないから。 新型コロナウイルスの流行により、サンプル採取が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
フローサイトメトリーによる単球サブタイプ分類について、異なる試薬を用いたプロトコールを試して基礎検討を行っている繰り返す。手技が安定次第、患者検体での解析に移行する予定であり、患者検体の採取方法について準備を進めている。
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Causes of Carryover |
フローサイトメトリーによる単球分類の手技獲得に想定以上の時間を要していることと、新型コロナウイルスの影響でサンプル採取が想定通りに進まなかったため次年度使用額が生じた。フローサイトメトリー手技確立後に、検体採取を進めて行くと同時に他の解析手法による同様の解析を試みる。
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