2020 Fiscal Year Research-status Report
副腎由来代謝産物に着目した新規骨粗鬆症診断バイオマーカーの確立
Project/Area Number |
20K16525
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
馬越 真希 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (20789672)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 副腎由来ホルモン / 骨粗鬆症 / ステロイドミクス / メタボローム / 骨質 |
Outline of Annual Research Achievements |
副腎由来代謝産物を用いて新規骨粗鬆症診断バイオマーカーを開発するため、「副腎由来ホルモン過剰モデル」である機能性副腎腫瘍を用いて、骨粗鬆症との関連性について検討を実施した。従来、コルチゾール過剰が「ステロイド骨粗鬆症」を引き起こすことはよく知られているが、ヒトにおいて、アルドステロンあるいはカテコールアミンにおける骨代謝への影響は十分に分かっていない。アルドステロン過剰をきたす原発性アルドステロン症において、代表的な脆弱性骨折である椎体骨折が高率であり、これにはアルドステロン過剰のみならずコルチゾール過剰が関与することを報告した(Clin. Endocrinol. (Oxf) 92: 206-213, 2020)。さらにカテコールアミン過剰をきたす褐色細胞腫において、低骨密度をきたし、椎体骨折が高率であること、腫瘍摘出後に骨密度は有意に改善することを明らかにし、褐色細胞腫は新たな続発性骨粗鬆症の原因疾患となり得ることを報告した(Bone 133: 115221, 2020)。一方で、褐色細胞腫では骨粗鬆症のみならず高率に動脈硬化を併発することを報告し(Osteoporos. Int. 31: 2151-2160, 2020)、多くの加齢性疾患における副腎由来ホルモンの病態生理的意義に注目した。直近では、褐色細胞腫における椎体骨折には骨密度よりもむしろ構造的骨質の評価指標であるTrabecular bone scoreが関連していることを見出し、腫瘍摘出後にTBSが有意に改善することを報告した(Bone 142: 115607, 2021)。以上より、副腎由来ホルモンは特に骨質の制御を介して骨代謝に影響していると想定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトにおける主要な副腎由来ホルモンの骨粗鬆症への関連を明らかにすることができた。さらに、副腎由来ホルモンは特に骨質の制御に関連していることが判明し、今後は骨強度指標の中でも特に骨質に注目して検討を行うことで、副腎由来ホルモンにおける骨代謝制御の全体像の把握が可能であると考えられるため、本研究は順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は副腎腫瘍患者および骨粗鬆症患者における網羅的ステロイドミクス解析を推進していく。機械学習を用いて骨強度指標などの臨床情報との統合を実施し、骨粗鬆症の早期診断のためのバイオマーカーを探索する。
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Causes of Carryover |
網羅的ステロイドミクス解析を本格的に実施するのが次年度以降になったため、次年度使用額が発生した。関連する消耗品に要する費用に主に使用予定である。また、研究成果発表のための学会参加費用や論文投稿にあたっての校閲、投稿費用に使用予定である。
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Research Products
(7 results)