2021 Fiscal Year Research-status Report
The applicability of plasma levels of myosin heavy chain-11 for the assessment of atherosclerotic vascular damage
Project/Area Number |
20K16533
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 梨紗 東京医科大学, 医学部, 臨床助教 (50867413)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 動脈硬化 / ミオシン重鎖11 |
Outline of Annual Research Achievements |
現時点で動脈硬化のバイオマーカーとして最も研究されているのは高感度CRPと言われているが、このバイオマーカーは感染などの炎症が存在している際も上昇することが報告されており、動脈硬化に特異的とは言い難い。虚血性心疾患や下肢動脈性硬化症の患者を対象にした先行研究において高感度CRPは健常群と動脈硬化群の識別には有用であったが、動脈硬化性病変の広がりを覚地することはできなかった。一方で血管平滑筋に特異的に発現しているミオシン重鎖11は動脈硬化性疾患の存在だけでなく、その広がりも覚知できる可能性が示唆された。 その先行研究をもとに、今回の研究では虚血性心疾患の元にもなる高血圧症の患者も対象にして行っている。高血圧症、無呼吸症候群、虚血性心疾患の患者を対象に選んだ。これらの対象者に対してしてミオシン重鎖11や高感度CRP、その他の生化学検査(コレステロール、中性脂肪、HbA1c、血糖値など)の採血をすべて行った。 また、対象患者すべてにおいてABI/PWVや頸動脈エコーといった一般的な動脈硬化性疾患のスクリーニング検査を施行することができた。現在は全対象者において、これらのバイオマーカーの測定を行っている状況である。 これらのバイオマーカーの数値や生化学検査の結果とスクリーニング検査の数値を比較して、既報のバイオマーカーよりもミオシン重鎖11が動脈硬化性疾患の発見に貢献できるバイオマーカーになりえるかを検証する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延により検体の収集に遅れが生じていたが、その遅れを取り戻すように検体を集めたから。
|
Strategy for Future Research Activity |
ミオシン重鎖11の数値と既存の動脈硬化のマーカーを比較し、早期の動脈硬化疾患の覚知に役立つことを確認する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により病院の通常外来・新患外来が制限され、研究に参加できる患者のエントリーに時間を要し、血液サンプルの収集が遅れた。サンプルの収集が遅れたことで、バイオマーカーの測定に必要な試薬の購入時期(150人分)が大幅に遅れたため。また、研究結果を発表するはずであった学会が延期・中止になった。 ようやく全ての対象者の血液サンプルの収集が終了したので、試薬を用いて150人分のミオシン重鎖11の測定を開始したところである。ミオシン重鎖11の数値と既報の動脈硬化のスクリーニング検査の数値とを比較検討していく方針である。
|
Research Products
(1 results)