2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎臓病予測マーカー探索:超精密血糖変動評価、エクソソーム解析を含めた検討
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20K16539
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
肥塚 諒 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (90791864)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎臓病 / 心エコー / 持続血糖変動 / HDL機能 / 尿エクソソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、当院糖尿病・脂質代謝内科に通院中の2型糖尿病患者を対象に、HbA1c、インスリン分泌能など糖尿病関連の項目や尿検査などに加え、測定精度が高いDEXCOM G6を使用した持続血糖変動、HDLの質的評価(引抜能、抗酸化能、抗炎症作用)、尿エクソソーム解析、心エコー(左室拡張能や心肥大)、血管内皮機能(エンドパッド、CD34+細胞)、心障害マーカー(高感度トロポニンT)、酸化ストレス(尿中8 OHdG)、炎症マーカー(IL-6)などを測定し、DKDの発症・進展に関わる危険因子や関連性について明らかにすることを目的とした。糖尿病性腎臓病とHDL機能低下との関係性をみたものはまだなく、糖尿病性腎臓病と血糖変動との関係性、尿エクソソーム解析に関する報告もほぼないため、先進的研究である。 「糖尿病における腎機能悪化群の病態を解明」のための、「既存データベースを用いた解析」については、解析の必要となった追加データの入力も完了し、BNP、頚動脈エコー、ABI、心エコー、内臓脂肪とGFR低下率との関係性を評価すべく解析を進めている。 「新規コホート作成」により、血糖変動等が腎機能悪化に与える影響を評価する検討については、新型コロナウイルスの流行により使用予定であった持続血糖測定器の発売が延期されていたが、2021年7月に発売され、当院でも使用申請が承認されたため、2022年1月より患者登録を開始している。症例登録数は目標150例に対して、82名までの登録が完了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「新規コホート作成」による検討では、血糖変動が腎機能悪化に与える影響を評価することを主目的の一つとしていたが、新型コロナウイルスの流行により使用予定であった持続血糖測定器Dexcom G6 の発売が2021年7月に大幅に延期となり、2022年1月より新規患者登録を開始している。登録開始後は比較的速やかに患者登録を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
既存データベースを用いた解析については、すでにデータ補完入力は終了しており、各項目とGFR低下率との関係性解明を行っている。 新規コホート解析に関しては、持続血糖測定器Dexcom G6 が2021年7月に発売され、当院での使用申請も承認されたため、2022年1月より患者登録を行っている。 患者スクリーニングを行う体制を強化し、患者登録が速やかに行えるように調整している。
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Causes of Carryover |
「新規コホート作成」による検討では、血糖変動が腎機能悪化に与える影響を評価することを主目的の一つとしていたが、新型コロナウイルスの流行により使用予定であった持続血糖測定器Dexcom G6 の発売が2021年7月に大幅に延期となり、2022年1月より新規患者登録を開始となった。 行動制限、受診控え、オンライン受診などで症例登録に難渋したが、コロナウイルス流行が収束しつつあることから、患者登録は進捗している。まだ新規患者登録や登録した患者のフォローアップ検査、学会発表などもあることから、次年度にも使用を予定している。
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