2021 Fiscal Year Research-status Report
多発性骨髄腫細胞におけるRNAメチル化を介したmicro RNA発現異常の解明
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20K16541
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
笠松 哲光 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60737542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RNAメチル化 / micro RNA / METTL3 / 多発性骨髄腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、多発性骨髄腫細胞株におけるm6aメチル化を媒介するメチル化酵素METTL3 mRNAの発現量をqPCR法にて比較した。ほとんどの細胞株に発現が認められたが、最も発現が高い細胞株についてm6a抗体を用いたRNA免疫沈降を行い、免疫沈降前のものを対照としてmicro RNAのm6aメチル化量を次世代シーケンスにより網羅的に検討を行った。 次世代シーケンスの結果より、免疫沈降前と比較し沈降後のサンプルで50倍以上増加し、m6a修飾が高いと予想されたmicro RNAは49種であった。この中より既報にて多発性骨髄腫と関連が報告されたmiR-137について今後の検討を行った。 多発性骨髄腫細胞株でのmiR-137の発現量は、急性骨髄性白血病細胞株HL-60に比較すると低発現であった。今後この発現量とm6aメチル化との相関を検討していく予定である。 並行して、多発性骨髄腫で使用されるプロテアソーム阻害薬ボルテゾミブが、m6aメチル化酵素METTL3の発現量に影響するかをqPCR法を用いて検討を行った。ボルテゾミブで24時間処理したものと未処理のMETTL3の発現量を比較したが、両者に有意な差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外製の試薬や消耗品の入手に時間がかかったこともあり、当初計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はmiR-137発現調節とm6aメチル化の関連を検討していく。また、成熟前段階のpri-micro RNAの段階でのm6aメチルもmicro RNAの発現に影響することが知られているため、pri-miR-137のメチルかも今後検討していきたい。 また、m6aメチル化RNAからメチル基を取り除く脱メチル化酵素FTO・ALKBH5もm6aメチル化を調節する因子であるため、多発性骨髄腫細胞株におけるこれらの酵素と薬剤感受性との関連をこん検討していく予定である。
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