2022 Fiscal Year Annual Research Report
多発性骨髄腫細胞におけるRNAメチル化を介したmicro RNA発現異常の解明
Project/Area Number |
20K16541
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
笠松 哲光 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (60737542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | RNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄腫細胞株ではm6Aメチル化酵素であるMETTL3の発現が低い株が多く、薬剤添加によりm6Aメチル化量の増加が認められてもののMETTL3には辺がが認められなかった。そのため、m6Aメチル化を取り除く脱メチル化酵素に着目し、検討を行った。 m6A脱メチル化酵素FTOとALKBH5のmRNA発現量はAML細胞株HL-60に比べると高く、ボルテゾミブ添加により減少が認められた。そのため、MM細胞におけるm6Aメチル化の制御にFTO・ALKBH5が影響すると考え、siRNAによるノックダウン(KD)を行い、ボルテゾミブ耐性の変化を検討した。FTOのKDではボルテゾミブ感受性に変化は認められなかったが、ALKBH5のKDではボルテゾミブ添加48時間後の生細胞率がネガティブコントロールに比べ低下する傾向が認められた。 研究機関全体を通して、骨髄腫細胞株でもmiRNAのm6Aメチル化が認められ、miR-137をはじめとして特にメチル化頻度の高いmiRNAが20種同定できた。miR-137に着目して、ボルテゾミブ添加におけるm6Aメチル化とmiR-137発現の変化を比較し、m6Aメチル化量の増加がmiR-137の発現維持に関与することを確認した。m6Aメチル化によるmiR-137の発現維持がボルテゾミブ感受性に与える影響を確認するため、脱メチル化酵素のKDを行ったところALKBH5のKDによりボルテゾミブ感受性の増加が確認され、m6Aメチル化制御の異常が骨髄腫細胞の耐性に影響することが示唆された。
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